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「あ〜! ポイが破れたぁー!」と嘆いていたり、あともう少しというところで、金魚がポイから逃げ、頭を抱えていたり、何を血迷ったか、一回り大きい金魚を掬おうとして、呆気なく破いてしまったりしていた。
「……全然取れてないが」
「わう」
「うっせー! だったら、兄貴がやってみろよ!」
ジルヴァを取られた隙に、残りのポイと水の入った入れ物を持たされた。
初めてと言っても等しい手に取ったものに困惑しつつも、見よう見まねでやってみるが。
金魚の後を追いかけていたら、簡単に破れてしまった。
「あっ……」
「あー、もう! 基本的な失敗をすんなって!」
「……お前もしていただろう」
「それはそれ! これはこれ!」
「まあまあ、兄ちゃん達! おまけに一匹ずつくれてやるから、仲直りしろよ!」
陽気な金魚すくいのおじさんがそう言って、金魚を一匹ずつ袋に詰めて渡してくれた。
「「…………」」
「ありがとよー!」と言う声を背に、並んで歩き出す。
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