華やかな空の花を探そう

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「なんだ、一匹もらえるじゃないか」 「そうだけどさー、いっぱい欲しいじゃん?」 「お前が世話しろよ」 「はーい。あ、たこ焼きあるぜ!」 ドタドタと忙しなく駆けていくのを、「全く……」とため息を吐いた。 「くぅん?」 「……ジルヴァ、良かったな。金魚、欲しかったんだろ?」 「わんっ!」 嬉しそうに鳴き、その勢いで頬を舐めまくってくる。 「やめろって……」 その言葉とは裏腹に、頬を緩ませていたのを、祥也自身は気づいていなかった。 「──お兄さん、今ひとりぃ?」 戯れていたひとときを一瞬にして破ってくる、まとわりつく声。 その声の方へ顔を向けると、濃い化粧をした派手な女子二人組がにっこりと笑う。 苦手なタイプだ。 夜遅くに来る客のことを思い出しながらも、「……何か用で」と返す。 「私たちぃ、彼ピッピにドタられてめちゃかなぴくってぇ〜。だから、かっこいいお兄さんになぐさめて欲しいなって!」 お願いと、恐怖すら覚えるつけまつ毛を付けた目で上目遣いで言われる。 今までの、目元まで前髪が長かった時は、人のことを嘲笑していたクセに、整えた途端にこんなにもあからさまに態度を変えてくるとは。 遠巻きで見ていた人らの方がまだ可愛かったなと、奴に対して再び殺意が芽生え始めた。 「……俺じゃなくても、他にもいると思いますが」 「そんなこと言わず〜! 一緒に行こうよ!」 「……っ!」 ぞわっ。 ごく自然と腕を絡めてきた瞬間、総毛だったのを感じる。 気持ち悪い。 早く解いてしまいたい衝動に駆られた。
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