62人が本棚に入れています
本棚に追加
「待てよ。約束通り金は払うから、俺にメシを奢らせろよ。花音ちゃんの希望通り、ミシュランの星のついた店、予約したから」
強く腕を掴まれ、いくら抵抗しても菅野は離してくれない。莉子が睨みつけても同じくらい強い視線でこちらを見てくるだけだ。
「嫌だ! 菅野から巻き上げるなんて無理っ。あんたと二人でそんな店に行っても話すこともないからっ!」
パパ活は見ず知らずの男だから成立するアルバイトであって、同級生の菅野から金を貰ってこんな商売などしたくない。
「なんでだよ。50代のおっさんなら良くてどうして俺はダメなんだよ。同じ客だろ? 俺とも付き合えよ」
菅野はしつこく莉子に迫ってくる。しかもなぜ莉子が50代のパパと繋がってることまで知っているのか。
「あんたどこまで知ってんの……?」
莉子は菅野が怖くて堪らない。菅野は悪いやつではないので、まさか大学内で莉子のパパ活のことを話したりはしないだろうとは思うが、それでも知られてしまった以上はいつ暴露されるのかと菅野の存在が恐ろしい。
最初のコメントを投稿しよう!