乾杯

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「ごめん。俺は親父の後をつけたんだ。花音が誰か知りたかったわけじゃない。親父が本当にパパ活してるのかってこの目で確かめようと思ったんだよ。ついでに証拠写真でも撮って親父に詰め寄ろうと思ってさ」  菅野は自分の父親の不貞を探ろうとして偶然莉子を見かけてしまったということか。 「信じらんない、そんな偶然……」  世間では悪い事はできないとよく言うが、本当にそうだ。パパ活なんてするもんじゃないと今さらながらに反省する。 「俺もそれに気づいたときはマジでびっくりしたわ。でも俺はお前と親父を見てたんだけど、本当に食事だけで終わるんだな。パパ活ってその……ちょっとヤバいイメージがあってさ……」  菅野がそう思うのも無理はない。本当に身体の関係まで持つこともあるのだから。 「菅野のお父さんの名誉のために言うけど、お父さん、私には指一本触れてないよ」  それは真実だ。だからこその最高のパパだったのに。
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