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その後、わたしがさらにもう一匹、ユナが二匹釣ったので、今日の食料は確保できた。わたしたちは薪を集めて、河原で焚き火を始めた。釣ったイワナに塩を振って串焼きにする。
パチパチと焚き火の音とともに、イワナの皮が焼ける香ばしい匂いがしてくる。正直なわたしのお腹が反応して、鳴き声を響かせる。
「もう食べれるかな」
「まだ。しっかり火が通るまで待ってて」
ユナに怒られたので、仕方なく焚き火を眺めて待つ。こちらに来てから、明るい空の元でのキャンプをするのは初めてだ。
「太陽、いつまで出てるのかな。朝も夜もわからなってきたよ」
「この世界の昼夜は、天気と一緒なんだよ。太陽が出るか出ないのかは、その日次第」
「そうなの? じゃあ、いきなり夜になったりするんだ」
「だから、体調を崩さないように、時間の管理が大事だよ」
そう言って、ユナは腕時計を見せた。あまり意識していなかったが、ユナはそういうところも管理していてくれたのだ。
「今は、午後五時十分。あくまで、この時計頼みの目安だけどね」
「その時間、地球の時間と合ってるの?」
「……どうだろ。でも、わたしはこの時間を基準に動いてる」
今からいただくご飯は、夕食ということか。真昼のように明るい空を見上げて、わたしは首を傾げた。
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