人と妖狐の不思議な日常。

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人と妖狐の不思議な日常。

子供達と慣れてから、私は知った。 銀は知っていたから、気付かなかっただけなのだ。 意外にも皆は、私の普通にする事には驚くし? それに逆もだけど… ただ、皆の方がいつも『銀に聞く』ような姿さえ、たまにする。 それは親から教わる事なら悪くない事だと。 私は『銀を信じているだけ』でもある。 私は妖狐ではないから、銀が教えるのは良いと思う。 銀なら、ちゃんと教えてくれるのだから。 ************************** とある日。 私は皆に関心を持たれた事もあって、その場で何個か作った。 子供達は皆がもう… キラキラとした目をして見てる。 「凄い… あんな糸から…」 「そうでもないよ。 これは簡単な方だし?」 青嵐(せいらん)すらも驚く。 他にも気付いた子供達が足を止め。 興味を出して、既に約50人ぐらいが集まって来てた。 皆がまた、どんどん増えた。 どうなってる? どうやって? なぜ? と、集まって来るのを見てた。 既に私が埋もれそうに、皆は興味深々である。 そんな中でだった。 私は銀が戻って来たのにも気付いていなかった。 そして家に戻った銀楊(ぎんよう)の目からは… 逆に光希(みつき)が埋もれている様子にしか見えない。 銀楊(ぎんよう)は若干、不思議だが思う。 なぜ、皆があんなに… 銀楊(ぎんよう)は、そのまま言った。 「光希(みつき)? それと、なぜ… 『皆は』囲んでる…?」 その『意味』を、皆は的確に『理解』した。 あっ!? 父上が微妙に怒っていると。 すぐにサッと少し道を開けた。 私はそこで銀に気付いた。 笑って言った。 「あっ、銀。 おかえりなさい!!」 それに皆が内心… 安堵した時でもある。 ん? あれ? 皆が静かになっちゃった? 私が不思議にも、皆を見る。 「あぁ、ただいま。 光希(みつき)。 それで、何をしてたんだ?」 私はまた銀に笑って言った。 「うん? あのね、銀は知ってるよね? 『あみぐるみ』だけど。 でもね。 皆は知らないらしくて、作ってたの。」 銀は何も考える様子もなく、普通に言った。 「あぁ、毛糸のだろう?」 「うん。 そう、それ!! でも皆は『初めて見た』らしいの。」 銀楊(ぎんよう)は子供達を見渡しながら… すぐに理解もして若干、呆れ顔で言った。 「なるほどな… それで、こんなに集まったと…」 実際に『それだけ』だった。 皆は、はしゃぎ過ぎた自覚もあり… 微妙に視線も下である。 銀楊(ぎんよう)は呆れたが… 先にと、光希(みつき)に優しい口調で言う。 「光希(みつき)が埋もれてたから… 心配したよ。」 私は素直に笑って言う。 「いや? 皆は『私より』も、『あみぐるみ』に夢中だったよ? 可愛いね。 子供っぽくて楽しかったよ!!」 「そうか… 『光希(みつき)がそう言う』のなら。 構わないよ。」 皆が寧ろ、母の無邪気に助けられていた。 もう皆は安堵でしかない。 そして思わずにはいられない。 『母上に助けられた』と… 私は銀にそのまま言った。 「でも、不思議ね。 妖狐の世界にはないの?」 銀楊(ぎんよう)は思考し、言葉を選んだ。 「そうだな。 人形のようなものはあるが… そうやって『手で編む物はない』だろう。」 私は不思議に思って銀に言う。 「へぇ… でも… 銀は知ってるでしょう? どうして、皆は知らないの?」 そう言うと、若干、複雑な顔をした銀が言った。 「光希(みつき)… 私と子供達では、歳が違う。 光希(みつき)から見たら… 皆が既に『大人に見える』だろうが。 光希(みつき)も考えなさい。 ここに居る子供達でも大体が5歳ぐらいだ。 人間なら『幼稚園児』だな?」 「あっ!」 私はそうかとも思う。 確かに、幼稚園児なら喜びそうな物だもんね。 だから、皆があんなに… 素直にそのまま受け取る光希(みつき)も判るのもだった。 銀楊(ぎんよう)は、また思考もするが… 若干、溜め息を出した。 少し首を振りながらも、光希(みつき)にと言う。 「光希(みつき)… 頼むから。 私と、その幼稚園児をだな? 『同じ』にしないでくれないか?」 「あぁ、ごめんなさぃ。 銀を子供になんて、見てないよ!」 私は慌てて銀の側に行く。 「まぁ… 判ってくれたなら良いが。」 銀楊(ぎんよう)は疑問を聞く為にと。 光希(みつき)を優しく抱き上げた。 「銀?」 不思議そうな顔をする光希(みつき)に優しく言う。 「光希(みつき)が楽しいなら、構わない。 ちなみに、この『毛糸』は?」 光希(みつき)は笑って言った。 「あぁ、これは『青嵐(せいらん)』がね? 知らないって言うし。 そうしたら『毛糸を』持って来てくれたの!!」 銀楊(ぎんよう)は全て判ってるのもある。 光希(みつき)は『全く嘘を付かない事』を。 自然に、『この騒ぎの犯人すら』も簡単に判るのに。 若干、愉快にもなる。 「ほぅ? 『青嵐(せいらん)』がか?」 青嵐(せいらん)がすぐに思う。 まさかっ!! こんな展開になるのは、予想外過ぎる!! そう、確かに青嵐(せいらん)が興味を出し… 『毛糸があれば作る』と言った母上にと。 持って来たのだ。 けれど、こんな展開は完全な予想外であり… 単純にやはり… 『皆が興味』を出し、集まっただけの結果なのだ。 「あはは!! 皆が凄い興味深々でね。 何個か作ってたら、いっぱい集まって来た。 そうかぁ。 幼稚園じゃ、興味出るよね?」 銀楊(ぎんよう)は、純粋な光希(みつき)の発言に聞いて… 想像した事もあり、思わず笑った。 「…そうだな。 それは、そうだ。 くっ、ははっ。 確かに、そうだな。 くっ。」 そう、光希(みつき)に『悪気は全く』ない。 だが光希(みつき)の頭の中では… 光希(みつき)は、青嵐(せいらん)をだ。 完全にもう『幼稚園児と同じか』と。 それを想像するとだった。 銀楊(ぎんよう)は笑ってしまうだけだった。 子供達の皆は、一斉に内心、本当に驚く。 えっ!? 父上が本当に笑ってる!? 珍しいのを見た!! 母上の話で、アッサリと!? これは貴重な顔だ!! それでも銀楊(ぎんよう)は、どうしても笑ってしまうが… さり気なく、『青嵐(せいらん)』とに、向けて言う。 「青嵐(せいらん)。」 「あ、はい。」 青嵐(せいらん)も、すぐに気付き返事をする。 少し抑えても笑いながら、銀楊(ぎんよう)は言う。 「人間社会の、『勉強』は?」 「あ、一般常識ぐらいは…」 私は、銀がなんか… 微妙に言う事が違う気もして、そこで銀にと言った。 「銀? 勉強ばかりは駄目だよ。 青嵐(せいらん)だって、『遊びたい』でしょう? 遊びの中からだって、『学べるものもある』でしょう?」 は、母上ー!? 青嵐(せいらん)の、まさに心の悲鳴でもある。 銀楊(ぎんよう)もすぐに察した。 光希(みつき)にと、優しく笑いながらも思考する。 「まぁ… そうだがなぁ。 『良い機会にはなる』かもしれないな。」 『視線だけ』銀楊(ぎんよう)は『青嵐(せいらん)』へ向いた。 それに青嵐(せいらん)も気付く。 「あ、でも。 銀は知ってるみたいだけど? 何か作ろうか?」 光希(みつき)の思考を簡単に読んだ。 銀楊(ぎんよう)は僅かに思考し内心、また笑う。 「いや? 『私から』だ。 光希(みつき)にと、あげよう?」 子供達の皆は、また一斉に内心、驚く。 えっ!? 父上がっ!? あれを!? 作れるのか!? えぇっ!? 皆が内心、驚きを隠せなくもなる。 子供達が一瞬、思考しながらも『視線を父上』に向ける。 それに銀楊(ぎんよう)は気付く。 けれど、光希(みつき)にと向かって言った。 「光希(みつき)が言っただろう? 私も光希(みつき)がだよ。 『遊んでいたのを見て』いたからな。」 そう言ってから毛糸を1つ取る。 光希(みつき)の持っている『かぎ針』もスッと、受け取った。 そして、銀楊(ぎんよう)は『簡単に小鳥』を作った。 「ほら。 光希(みつき)は好きだろう?」 私は嬉しくて、受け取って笑う。 「わぁ!! 可愛いなぁ。 凄いね、銀!! 作れたんだね。 ありがとう。 大事にするよ!!」 銀楊(ぎんよう)は、光希(みつき)が嬉しそうにと。 笑う顔を見ながら言う。 「光希(みつき)が喜んでくれるなら。 私も嬉しいよ。 それに私は光希(みつき)がだ。 『遊んでいるので学べた』ようなものだからな。」 子供達の皆は、その出来上がりにも驚く。 そして、更に母上は気付いてないが… 『これの意味』を受け取って理解もする。 つまり… 『観察だけ』でも、作れると。 母上が『遊んでいる』のを見て覚えろと。 青嵐(せいらん)としては、もう、呆気。 そう、母上には気付かせずにだ。 それで『実践』で、目の前でするとは… どれだけ父上がだ。 母上の事を知っているのか、疑問でしかない… 私はただ嬉しく言う。 「ふふ、可愛い小鳥だなぁ。 銀は、いつも欲しいのをくれるなぁ。 私も『何かあげたい』なぁ。」 銀楊(ぎんよう)は、光希(みつき)の無自覚には驚くが。 これは銀楊(ぎんよう)以外の皆すらも驚く。 この場だけの子供だけではない。 その子供達が、皆がだ。 『光希(みつき)がくれた』ようなものなのに… 銀楊(ぎんよう)は思う。 これは、無自覚過ぎるなと。 けれど、これは素直に言おうと。 優しく笑いながらも銀楊(ぎんよう)光希(みつき)にと言う。 「光希(みつき)から。 『私はいつも貰って』いるよ。 だから、光希(みつき)が喜ぶならば。 私は何でもしよう?」 皆もすぐに『父上の意味』が判る事でもあった。 そう、父上からしたら、母上から『いつも貰ってる』もの… それは『新たな命』なのだから。 ************************** とある日。 銀と一緒に庭で居た時。 そんな時に、子供達がだった。 いきなり何もないところから現れた。 私は凄く驚いた。 すぐに銀楊(ぎんよう)は察した。 銀楊(ぎんよう)は『それを見て』すぐに理解する。 あぁ、なるほどと。 けれど… 子供達の皆からしたら… 母上が、なぜ驚いているのが判らない。 どういう事が…? 皆は『視線のみ』で、父上に合図を出した。 それに銀楊(ぎんよう)も勿論、気付く。 そして簡単に光希(みつき)にと思考する。 ふむ。 ならば… 「光希(みつき)? 結界だろう。 それで見えてないだけだ。」 「えっ? ここにも何かあるの?」 皆が父上の言葉を聞いて、すぐに『理解』した。 なるほど、それで驚いたのかと。 銀楊(ぎんよう)は手を翳し、軽く結界の構造を変えた。 そうして光希(みつき)にも見えるようにとする。 私は機械みたいなのが、いきなり現れてまた驚く。 「えぇ? 何、これ?」 銀楊(ぎんよう)は普通に説明する。 「それは『転移装置』だ。 光希(みつき)は使えないから、特に見えなくても問題がないと。 そのままだっただけの物だ。」 「てんい…」 それでもだった。 子供達もまた判らない。 妖狐からしたら、普通の移動でしかないのだ。 母上が、やはり… 不思議そうに首を傾げるのだ。 装置も勿論、不思議そうに見ているが… 母上を見てると、装置よりも違う? そんな疑問がありそうなのだ。 それにも、一応、父上に『視線のみ』で合図する。 銀楊(ぎんよう)も、それには確かに不思議ではある。 一応、言葉を選んでは言う。 「光希(みつき)? その装置の、何かが気になるのか?」 銀楊(ぎんよう)光希(みつき)を見てると… 首を傾げながら言った。 「ううん。 違うよ?」 子供達すら、皆が判らず、何を? そう、不思議に母上を見ていた。 でも逆に、母上が驚く発言をした。 「だって… 銀は今まで、こんなの、『使ってない』よね? どうして、子供達は、この『装置が必要』なの? 妖狐は皆が普通に、銀みたいにしてると思ってたし。 『装置』なんて… 私は『初めて見た』よ?」 子供達からしたら… つまりだ。 『転移装置』を普段から使っていない父上がだ。 母上からしたら、『普通』になってる!? なぜ、『装置』がではなく。 なぜ、『転移術』が出来ないのか。 それを『指摘された』ような事でもある。 銀楊(ぎんよう)は全て判るのもあり… 若干、笑うのを堪えていた。 「光希(みつき)。 私と、子供と、同じ扱いでは… くっ。 いや? 光希(みつき)から見たら、そうなるか…」 既に笑いに耐えるのが厳しくなる銀楊(ぎんよう)である。 そんな中でも、何にも悪気もなく、普通に光希(みつき)は言うのだ。 「ふーん? でも… 『銀が出来る』なら、皆も出来るよね? 『妖狐なら出来る』のでしょう?」 子供達はもう、内心、焦りを隠すのが厳しい。 そして、予測も出来る事が浮かぶ!! は、母上!? それ以上は!! まさか!? 銀楊(ぎんよう)は、もう… それに笑いを堪えられない。 『子供達の心境すら』も、読めるからだった。 「くっ。 くっ、ははっ。 あぁ、そうだな。 光希(みつき)の言う事は、正しいなぁ。 くっ。 なるほどなぁ。 確かに『妖狐』なら、『出来る』よなぁ?」 完全に『視線』がだった。 子供達に来たのに皆が気付く。 えっ!? いや!? まさか!? えぇ!? 私は銀が、微妙に笑うのかが、不思議でもある。 「うん? どうして、使えないの?」 皆がまさに、心の中で叫んだ。 母上ー!? 銀楊(ぎんよう)は、もう笑いながらも言った。 「そうだな。 そんな装置は要らないか。 判った。 『その装置』は、無くそう。 『要らない』からな?」 銀楊(ぎんよう)は最後だけと、『視線』を子供達と送る。 子供達の皆は、父上の『視線で理解』はするが… えっ!? すなわち、それは!? 今後は『装置なし』で移動をしろと!? 私は銀が、不思議に笑ってるのに疑問でしかない。 うん? どうしたのかな? 「まぁ、私はあってもなくても? 別に、困らないけど…」 銀楊(ぎんよう)は、光希(みつき)の思考も、子供達の思考も簡単である。 だから、笑いながら、光希(みつき)にと言う。 「ふむ。 なら、その装置。 『1週間』だな。 光希(みつき)は使う事もない。 何も問題ないか。」 皆は意味を『理解』はする。 けれど更にだった。 そう言った父上が、瞬時に『転移装置を壊した』のに気付く。 「!!?」 「うん? 何か、音がした?」 私がまた装置を見ようとする前に、銀が言った。 「光希(みつき)。 こっちにおいで。」 銀が笑って手を伸ばしてたのを見て、すぐに側に行った。 「うん、どしたの? わぁっ!?」 軽々と抱き上げられた。 でも銀が笑ってまた言った。 「さて、光希(みつき)? 屋上にでも行かないか? 丁度、今は天気も良いからな。」 私は銀に笑って言う。 「そうだね、うん!! 行きたい!!」 銀楊(ぎんよう)は『子供達』の方を僅かに向く。 そして言った。 「お前達も、私と『同じ』ように。 する方が良いだろう? 『1週間』だな。 他の機材も片付けておこう。」 子供達の皆は、父上の意味を『理解』した。 つまり… 『1週間以内に転移術』を覚えて… 『常に』それで移動をしろとっ!? 銀楊(ぎんよう)は理解したなと判断した。 それでも、若干、笑いを殺しながらでもある。 そのままアッサリと。 父上は、母上を抱き、『転移術を使って移動』した。 残された子供達は、皆が思う。 えー!? 意外と父の方が『珍しい』のに!? まさか、それを『1週間でしろ』と!? 「と、取り敢えず、連絡をしないと。 皆が『転移術が使えない』と、困るな。 これは…」 なかなか、父上のスパルタ教育であった… ************************** とある日。 良いなぁ、あれ。 私にも出来ないかなぁ。 そんな事を考えていた私だった。 側に居た銀が声をかけてきた。 「光希(みつき)? 何か気になるのか?」 子供達の皆は、それぞれが食事の片付け中である。 けど… 人数も、かなり居るのもある。 それに銀が居る時は、私は殆どやる事もなく… 子供達を『観察』していたのだ。 そうすると、何でもないように… ボタンすらせず、いろいろしている… あれが波動? 「うん。 ちょっと…」 皆も察して、少し止まった。 そんな光希(みつき)の様子を見て、子供達も見る。 銀楊(ぎんよう)は僅かに思考し、光希(みつき)にと言う。 「なるほど。 皆が『波動をして使っている』から。 光希(みつき)も、使いたくなると…?」 「…うん。」 銀楊(ぎんよう)は瞬時に状況も踏まえて思考する。 人間には『妖力がない』から波動も不可能。 だからボタンの用意はあるが、子供達の動き。 妖狐の生活では当たり前な動きか。 ただ、光希(みつき)の『性格』からすると… 母上の様子に子供達も察する。 そして、父上へ『視線する』も… 何か、考えている事にも察した。 ならば、父上の案を待つ選択をした。 銀楊(ぎんよう)は僅かに目を閉じた。 この場合は… 光希(みつき)が少し出来れば、『納得も』する。 逆に子供達は『知らない』のか。 『波動を使う事』が、当たり前だから仕方がないな。 けれど『知能』のみだと… 人間の光希(みつき)が上。 更にまた、子供達には『別の視点』にも気付くだろう。 目を開けた父上が言った事にだった。 その場に居た多くの子供達の皆が、全員が驚く。 「ふむ。 だがな、光希(みつき)。 別に『ボタンも波動も』関係ない。 光希(みつき)も使えるものならば。 この部屋にもあるぞ?」 私も銀に顔を向けた。 「え、本当?」 どうにか、皆は動揺だけ隠す。 それでも子供達の皆が全く判らない。 えっ!? 波動を使わない? それで使える? そんな物があると? 銀楊(ぎんよう)は、光希(みつき)に優しい口調で言った。 「例えば、あのキッチンの側のランプ。 あれなら、光希(みつき)も『火を付けられる』だろう? 『理科の応用』だな。 (かがみ)も、側にある。」 私は指摘されたランプを見た。 理科… 鏡… 「あぁ、屈折かぁ。」 銀楊(ぎんよう)が子供達を見ると、逆に判ってない。 大抵、皆が『火の術を使うだけ』だからだろう。 内心、理解はすると判るからこそ笑う。 「光希(みつき)。 少しやってみたらどうだ? 『頭』を使えば簡単だろう? 別に『術や波動が使えなくても』だ。 『光希(みつき)なら出来る』だろう?」 子供達の皆が更に動揺するが隠すので精一杯でもある。 えっ!? 術や波動もなく? 母上が火を付けるのが可能? りか? 鏡で? 「うん!! やってみる。」 そう言う母上に、皆が注目してしまう。 えっ? 本当に? だって、術も使えないのに? 父上の言う『頭』は『知恵』だよな? でも、鏡は判らないのに… 私は鏡を手に取ると、差し込む光を上手く屈折させる。 そしてランプに火が付いた。 皆の方が唖然となる。 えっ!? 光を集めたのか? そんな… 術もなしに、火を!? 私は少し、それだけで満足した。 銀のところへ行くと笑った。 「銀は良く知ってたね。 『理科の実験』だよね?」 銀楊(ぎんよう)は優しく笑う。 「正解だな。 光希(みつき)は『頭』が良いから。 気付くと思っていたよ。」 私は普通に銀に抱き付くと言った。 「でも、これは『基本』だったね! かなり昔にやってた事だ。 そういえば、『火なら簡単』だった。」 銀楊(ぎんよう)は、光希(みつき)の頭を撫でる。 そして子供達の方を見ると… 余りにも驚いていた。 銀楊(ぎんよう)は『更に言葉を選んで』と言った。 「光希(みつき)は昔から成績も『優秀』だったじゃないか。 特に勉強すらしなくてもな。 『1度聞けば、簡単に出来た』だろう?」 皆の方がまた、すぐに気付く。 それは、つまり… 『1度聞けば』母上も出来ると!? 『知能面が長けていた』と!? 「えへへ。 それは、ちゃんと聞いてれば『普通』だよ? だって、教えて貰えてるのだから。 『覚えるのは当たり前』だよ!!」 銀楊(ぎんよう)は思う。 性格で判らないだけで、『知能は高い』のだがなと。 更に銀楊(ぎんよう)は『言葉』を続けた。 「そうだな。 私もそう思うよ。 普通、『1度教えれば』覚えるだろうな。 『光希(みつき)』ならば、当たり前か。」 『視線』だけ、子供達へと向けた。 皆もすぐにそれにも気付く。 まさかっ!? 普段から『2度目以降は』許さない父上だが… 『母上』なら、それすらないと!? つまり!? かなり『優秀』なのか!! ここが『妖狐の世界』だから、使えないだけ!? 単純に『妖力が使えないだけ』の意味か!? 人間の中では、相当『知能が高い』のか!? それに、あの父上がだ!! 普通に褒めるなら… もしかして、父上もだが、母上もなのか? 銀楊(ぎんよう)は『意味を理解した』ようだと。 判断したが… 「そう? 『普通』だと思うよ? だって、真面目に授業を受けていれば。 それで『判る』でしょう?」 銀楊(ぎんよう)は内心。 その『普通』が出来ないのが、大半だと思うが… また思考も同時にして、『更に付加する言葉』を選んだ。 「そうだな。 光希(みつき)は、ちゃんと人の話を聞くから。 『必ず、1度で理解』していたからな。 しかも、友人の『間違いも指摘』してあげていたじゃないか。 その友人さえも『導いて』だろう? 一緒に『正解していた』よな。」 皆がその『意味を理解』する。 つまり母上は… 物事を『全て1度で理解』出来ると!! 尚且つ、『周りまでも』引き上げていたと!? 「そんな風じゃないよ。 困ってたら、『一緒に学べば良い』じゃない。 そうすれば、友達も喜ぶし。 もっと私も学べるんだから!!」 無邪気に笑う母上が、簡単に言う。 皆が思う。 だが、それは簡単じゃない…!! 銀楊(ぎんよう)は少し笑ってから『更に』言う。 「だから、凄いんだよな。 『学べば』更に相手の問題すらもだ。 簡単に『解決』してしまうのだから。」 子供達の方が、もう驚愕に近い。 あの父上が… 『完全に能力を認めている』ような発言を!! 銀楊(ぎんよう)は『最後の大きな付加』を言った。 「光希(みつき)? ある意味。 凄いのはな。 『ここに来てから』でも。 私が『指摘』すればな。 術が使えなくても『出来てしまう事』だよ。」 「!!?」 そうだ!! 世界が違うのに!! 実際にさっきの『指摘だけ』で火を付けた!! 銀楊(ぎんよう)は改めて、子供達を見ると… 内心、笑う。 皆が判ったようだな。 光希(みつき)の『凄さ』に… 確かに僅かな指摘だ。 だが、それが『世界が変わって』も。 光希(みつき)には出来るのだから。 皆が父上の言い分が、良く判った。 もし、自分が全く妖力がなく… 『知識だけ』の応用でだ。 あれが出来たか判らないのだから… 「あはは!! 銀の指摘が判り易いからだよ!!」 銀楊(ぎんよう)は素直に言う。 「そうか? なら、良かったよ。」 皆が思うのも同じだった。 これは母上すらも… とんでもないかもしれないと。 そう、思わずにはいられない子供達だった…
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