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新しい仮説と新世代へ。
条例が確実になり、既にもう5年以上。
光希がこちらに来てから約9年以上になる。
その後、特に問題も何も出ていない。
常に『2つの術』も必ずあった。
だからこそ、『人間の身体』である光希の場合。
『時間すら』も遅くしているのもある。
そこも『全て』、問題すらない。
実際に、光希は…
連れてきた頃と『外見すらも変わってない』のが事実だ。
そして『消耗の確認の為』にと、『常に確認』もしている。
それも何事もなく、経過してはいるが…
けれど、銀楊に新たに芽生える事。
『些細な違和感』があった。
それを含めて、思考し、辿りついた答えもあった。
だが、これは仮説であり、確証もない。
もし、そうなら…
そんな事が可能だとしたら…
銀楊は、すぐに否定する。
いや、それはあり得ないと。
『否定したくなるだけ』だった。
そんな事がもし、この仮説が正しかったら…
私は『光希を失う』にも等しい。
だからこそ、あり得ない仮説。
『受け入れたくない仮説』だった…
**************************
銀楊は、愛してるからこそでもあるが…
「あっふぁ。
んぁっ。
ふあぁ!!」
今ではもう、光希を求めるばかりにと。
『自覚』はしていた。
それでも、どうしても求めてしまう…
愛しているからこそ、もっと『快楽』を。
「今夜は少し…
光希…
激しく愛してあげよう。」
「っん。
あっ、そんな、にっ。
あぁっ!!」
銀楊は手も、尾も、舌も使う。
光希の弱い部分だけを『全て』同時に責めた。
「あっ。
ん、あぁ!?
だ、めっ、んぁ。
あっ、あぁ!!」
銀楊は…
もう光希の身体をだ。
知り尽くしているのもある。
だからこそ、『全て』を。
今まで以上にと、『快楽』を。
頭の中で『微かな疑惑』が掠めた。
そんな事を…
考えたくもない。
私が『光希を失う』と?
そんな事は『絶対』にしたくない。
ただ私はもう…
光希を愛したいだけなのだ…
「あっ。
あふ、んっん。」
舌を絡めながら、唇を奪いながら…
反応に合わせてと、中に挿入させる。
「んっ!!
っん、んん。」
もう、銀楊は動きすら止められない。
光希が感じている事も、良く伝わってくる。
そんな光希を、私もだ…
もっと感じたい。
誰よりも、何よりも…
『疑惑すらも消す』ように。
もう『光希を求めて』しまう。
光希を感じたい。
このまま愛したいと。
ならば、もう…
この『愛している時間だけ』でも…
疑念を消し、『光希だけ』を愛そう。
誰よりも、何よりも、大切で愛しい光希を…
そうやって、その日も…
光希の心も、身体も、愛し続けた。
**************************
常に今でも、我が子は精進していた。
更に『指摘』をすれば、『理解』も早い。
最初の子達は、確実に強くなっている。
銀楊は思考もしていた。
既に私の次の長は、我が子だろうが…
やはり『青嵐』の統率能力は、誰よりも高い。
次は『青嵐』だろう。
今でも常に光希の産み続けている…
子供達は、『全てが天才児』だ。
簡単に数えても、軽く1400人以上。
もう、どの派閥も手も出せぬ。
女児も別の複雑な結界内。
徹底しているし、健やかでもある。
今まで誰にも言っていないが…
やはり、次の可能性である『青嵐』には今後の為に。
伝えなければ…
また同じように、『滅びの道へ』向かう可能性が大きい。
次の世代にも、伝えなければならない。
そうしなければ、また『妖狐族は愚かな道を繰り返すのみ』だ。
仕事中だった銀楊は、側近に指示を出す。
「青嵐を呼べ。」
「はい。」
その指示で側近は走る。
私の『特務部隊』も引き継がせる意味でもだ。
こちら側から動かなければ…
私の場合は、公認で長を選び。
妖狐族の認識や、あり方を変えるしか出来ないだろう…
**************************
光希は子供達の中でもだ。
安心して普通に笑うようにもなった。
我が子達も『理解』し、守っている。
それに関しても問題ない。
今のところ、こちら側も問題すらない。
余計な手を出す者は、既に無謀な愚か者しかいないだろう。
それでもだった…
気になる点が『僅か』にある。
それはやはり『光希』だが…
身体の消耗も含め、私が管理もしている。
間違えていないにも関わらず…
『光希の1つ』が、どうにも気になっていた。
私は少なくとも、人間の身体や構造に関しても、知識はある。
食事、運動、睡眠、医学にも全て、知識としてはある。
身体も問題はないと思っている。
『確認』もしている。
だからこそ。
判らない『不安』が付き纏う。
その為にも、どうするか…
私は仕事の方へ行っている間にだった。
既に側近に指示も出していた。
**************************
銀楊は時間を計算しながらもだ。
常に転移し、行動する。
そしてまた、仕事へと転移した。
銀楊が書類に目を通している時だ。
側近が素早く銀楊のと言った。
「連れて来ました。」
青嵐は礼を取りながらだった。
「参上致しました。
当主であり、偉大なる父上。」
銀楊は、それを『確認』すると。
すぐに側近に『視線』を送った。
そして端的に言う。
「…着いて来い。」
側近にも『視線』で合図する。
青嵐は目を伏せて言う。
「はい。」
私は個別に用意した会議部屋の1つに入る。
端的に側近へと言った。
「15分だ。」
それに対して、側近は『理解した』様子で離れる。
銀楊は冷静に判断し、『青嵐のみ』を呼んだ。
これからの事と、また光希に関してだ。
この場では『用心の為に』と行動する必要がある。
銀楊は思考しながらだった。
ここから先は…
『誰にも』聞かれる訳にはいけないな。
今は少なくとも仕事の時間。
青嵐の態度も違う事を理解していた。
私は、すぐに『部屋の遮断』をした。
青嵐も、いつもと違う事に察した様子だが…
『内容を』何も言わずにと、青嵐に言った。
「青嵐。
奥へ行け。」
「はい。」
青嵐が部屋の奥に入るのを確認する。
私は高位な結界と遮断を。
それぞれ複雑な応用術を一気に部屋を厳重にする。
そして更に、空間移動の中間地点へ移動させた。
この場合、もう外部からの接触も含め。
音だけでなく、認識すら不可能。
完全な遮断を。
これならば『誰も認識すら出来ない空間結界』だが。
銀楊は『それを』複雑に構造して出す。
既にいつもと違う事にだった。
青嵐は『確信』はするが…
外部との完全な遮断。
しかも空間転移の応用の?
更に高位結界術か!?
何事だ!?
父上が、これ程の事をしてまで…
「ち、父上?」
銀楊は冷静にと判断する。
流石の私でも『これの継続』は不可能だ。
せめて15分程度なら、問題でもないが…
青嵐も若干、慌てるが…
そこまでする『理由』が浮かばなかった。
まさか、また『母上』にか?
私は端的にだが、明確に『青嵐に向かって』言う。
「青嵐。
私もこの空間だと、『15分程度』しかない。
だからこそ、今から『真実』を告げる。
それを忘れるな。
この話は外部も含め、絶対に話せない。」
青嵐は焦るが、1度、『全て』を整える。
すぐに父上の目を見てだ。
どれだけの『重要性が高いかを理解』する。
「覚える事は多いが…
私は青嵐。
お前を選んだ。
私は『お前を時期にと、妖狐の長』を譲る。
そしてお前が長になり、『今後の妖狐族の存命をも』託す。」
「!?」
青嵐は必死に思考を巡らす。
時期の長を?
今後の狐族族の存命!?
「今から話す事は、私は今まで誰にも話してない。
私の答え、考えは、今の妖狐族のあり方を変える為だ。
力だけで、長を狙う愚かな考えも、『全てを』覆し。
『新たな世代へと変える』ぐらいしか出来ん。
その為に、私が暫く『後見』として力を貸すが。
あくまで、長として導く者。
私は『青嵐を』選んだ。
だから今から話す事は、『私の中の結論』でもあり。
『真実』も含まれる。
良いな?
これから先、私が基盤を作ってもだ。
今後の妖狐族を背負っていくのは新世代。
つまり、『青嵐の世代』だ。
だからこその話だ。」
銀楊は頭の中で纏める。
青嵐に『全て』話す事を優先する。
「今の妖狐族の『認識』は、大きく間違っている。
今までの妖狐の常識は、一切捨てろ。
今から言う事は、私が考え出した『結論』でもある。
そうしなければ、今。
産まれている『女児』が居ながらも、また同じ道。
妖狐族は『滅ぶ運命へ』と流れるだろう。
だからこそ、重要であり、知らねばならない。
そして『青嵐』をだ。
私は『お前を』選んだ。
意味は、理解したか?」
「はい!!」
青嵐は『明らかに』違うもの。
どれだけ重要かも、認識した。
父上の言葉を一言も漏らさないようにと。
『覚える』ように、聞こうと意識する。
「今の妖狐族は『自業自得の結末』だ。
滅びるのが当たり前な道を、常識にしている。
それは『姫』でも、新たな『女児』でも同じだと。
『私だけ』が知っている。
今の妖狐族のあり方は、『認識は真逆』だ。
間違っている。
強い長から、『強い子』が産まれているのではない。
『姫が強い子を産むかを決定している』と言う事。
歴代を含め、歴史でも同じ事だった。
『子が弱い』と、その認識が『既に間違えている』のだ。
今の光希、姫が『強い子を産む』のは、それだけの事だ。」
「!?」
「余り時間がないが、再度、言おう。
『強い長の子が、強い』のではない。
姫が選び、『姫が強い子を』産んでいるだけだ。
歴代の長も、更に遡った歴史の女児も同じになる。
『繁殖の為に使えば、子が弱いだけ』の事。
つまり。
産む側の『姫や女児からの同意』がなければ。
全て『弱い子になるだけ』だ。
そして『姫が選び、同意した者の子を望むから』こそ。
『強い子が産まれている』のだ。」
青嵐は、その『真実』に、何も言えない。
それでも銀楊は時間もないからこそ、続けた。
「今から私が、いくら基盤の組織を作ろうとだ。
今後の世代、次の長。
つまり、『青嵐達』が。
それを踏まえなければ、同じ事を繰り返す。
その結果。
今と同じように、『妖狐族は滅ぶ方へ』向かうだけだ。」
「!?」
衝撃的な事で言葉が浮かばないが。
それでも青嵐は必死に言葉を覚える。
その姿を見て、銀楊は続ける。
「私は光希からの『同意の時』にだ。
その前の時、更に歴代を含めた『結論』にもなった。
『姫を愛して、姫から愛されなければ、同意はない』と。
そして、今までの姫も、光希も身体も同じ。
ただの『反応』で子が産まれる場合、気絶をする。
それは子に対して、『身体の反応のみ』の行為。
ゆえに『負担を受け産まれるから子が弱いだけ』の事。」
「それは…」
青嵐も『逆転』させる。
自分達。
つまり、今の『母上の子が強い理由』にも繋がるのか!?
「少しは判ったかもしれんが…
『同意した相手を』だ。
姫が選び、『姫を愛さなければいけない』のにも関わらず。
今までの歴史、歴代においても、『妖狐族は真逆を』した。
結果、今の妖狐族は女児も居なかった。
姫すらも数百年。
待たなければ産まれないまでの現状を作った『原因』だ。」
青嵐は、その真実が、衝撃が強い。
それでも、どうにか『全て理解』する。
銀楊は一切、視線を外さずに続ける。
「だから、強い事は当たり前だが。
『姫を愛さなければ』、何も意味がない。
そして、『姫から愛されなければ』同じ事。
姫が『愛した子は全て強い子』を産む。
だが、その場合、姫は『自らの身体』を。
『様々な代償』を背負って子を産む。
同意した相手の『愛した子の為に』と。
負担をかけずに産もうとする。
『子への負担をないように産む為』にと。
代わりのように『全ての負担を姫が』受ける。
産む側の方が、『負担を背負う』からこそ、子が強いだけだ。
そして『愛されなければ』同意などもない。
愛して合ってこそ、『成立する』のだ。
姫が身体も含め、代償のように身体も消耗させるが。
『高位治癒術が効果は』ある。
だからこそ、成り立つ。
『産む姫を道具』に使い、『繁殖のみ』を考えれば…
姫からの『同意もない』、拒絶したままなら。
身体の反応でのみ産まれるだけ。
その分、姫は『負担すらせずに子が産まれる』から。
『子が弱いだけ』だ。
それをずっと続けた結果。
女児も含め、産まれなくなっただけの事。」
青嵐は、再び衝撃を受ける。
それは歴史ですら『覆る真実』でもあるからだった。
「判ったな?
今の光希が、なぜ『強い子を産むか』の謎は簡単だ。
『私が愛し、私を選んだ結果なだけ』だ。
『私が強いから、子が強い』訳ではない。
『同意を得ている』からこそ、『光希』が産むのだ。
『強い子』を。
そして、『全ての代償は光希が』背負っている。
私が出来る事は、その消耗や負担を助ける事だけ。
それすらも、光希が『私を信じているから』こそだ。
これはもう、本能にも近い。
自らを削り、それでも『同意した相手の為に強い子を』産んでいる。
だから『今の妖狐族の認識は真逆』だ。」
青嵐は衝撃的過ぎて声は出せない。
だが、今までの話は『全てを理解』した。
「私がこの事実を何も出してないのも、『そこ』だ。
もし『今の議会』に出せば、『検証』と言う名目で。
必ず『光希を使おう』とするだろう。
『今の妖狐族の認識は間違えている』のだ。
だから、言わなかった。
そうなれば、もう『滅びるだけ』だ。
だから青嵐。
お前がこれからの妖狐族を長となる為に。
そして導かねば…
今後、いくら何百年後かには、また同じ道になる。」
青嵐は、すぐに理解した。
確かに、こんな、今の事実なら…
もし今、出せば…
また『母上が使われかねない』と判る!!
「私は『それを避ける』しか出来なかった。
だが、この『真実』を知らねば…
どんなに今、新しく産まれた命からでも、『同じ』だ。
妖狐族はまた繰り返し、結果は『滅びへ』向かうだろう。
私が出来るのは、今の妖狐族を抑える事。
そして、基盤を作るしか出来ない。
だから、次になる長は、青嵐。
お前がなるんだ。
こちらで抑えられる力も、知恵も貸す。
そして私は長の座を降り、『青嵐を長に』考えている。
その為にも、『真実』を言った。
『認識は簡単には変わらない』。
その為に力が足りないならば、貸すだけであり。
次を、世代を動かす者。
『青嵐』が、新世代が、理解していかねば。
同じ道になるだろう。
『誤ちを繰り返す』な。
そして強く、また新しい妖狐族の中での長をしなければ意味もない。
姫や女児を『繁殖などに使えば』、妖狐族は滅びるのが、当たり前だ。
『本来の形』が違う。
根本的に間違ってる。
新しく産まれた、『強い子』がだ。
新たな『姫を守る』のが正しい。
またその『姫から』同意なくして産ませても、結果は変わらん。」
青嵐は、僅かに言った。
「なぜ、それを…」
それが真実!!
あの父上の見つけた答え、そして結論!!
「さっきも言った。
今の妖狐族は、『認識が間違えている』と。
だからこそ今は、『力』でしか抑えられない。
だから、青嵐。
お前が長になって、これからも踏まえて進まなければならない。
そして、そこで変えていかねば、何も意味もない。
結局は『滅びるだけ』になる。
今の妖狐族で、1番長になれる可能性は、青嵐。
『お前だと判断した』から話した。」
青嵐は、『その言葉』もだった。
また今までと『違うもの』すらも感じる。
あの父上が、未来を、将来を考え…
『自分を選んだ事』に。
「新しく産まれた世代からしか、この認識は根付かないだろう。
だが、光希も、私も、これから先に繋げても…
青嵐、お前がやらねばいけないと判断した。
少なくとも、皆を纏めた。
実力も、知識も、まだ若いだけで、私に敵わないだけだが。
続けていけば、お前ならば『可能な筈』だ。」
青嵐は事の大きさもある。
けれど、あの父上が、選んでくれた事に。
託している事に。
それ程に『重要な事を自分にと』している事に。
理解し、『心に刻んで』返事をした。
「はい!!
必ず!!」
青嵐は誓うように言う。
絶対に、成し遂げる決意を決めるように刻んだ。
銀楊はそれに対し、『理解をした事』も判った。
そして、考えたくもない事だが、どうにか続ける。
「それと、もう1つ。
青嵐に…
『頼み』が、ある。」
!?
父上の口調も変わった。
そして、あの父上が『頼み』と言った。
それに…
続きを言い難い様子でもある。
なぜ…
何を、これは…
母上の時の!?
「良く聞け、青嵐。
お前を今から『特務』の直下に異動する。
その後に勿論、長にする予定では私は動く。
だが、その『最初の特務』として…
して欲しい事。
それは『光希』に関してになる。」
青嵐は、やはりと思う。
だが、そんな事はあり得ないが…
「母上に何か関わる件で…
父上!?
何を隠しているのですか!?
まさか、さっきの話では…」
銀楊は少し首を振る。
「私の仮説にも、まだ『確証』がない。
その為に、お前を『特務』へ異動させ…
して欲しい事がある。
これからの業務を含め、『全てを放棄』しても構わん。
今から常に、『光希を観察』しろ。」
「えっ?」
「外部や、一族からの危害は『私が居れば』問題もない。
だが、私が気になっている部分が『1つ』ある。
今の私では、常に光希の側に居る事が不可能だ。
だから、青嵐に頼みたい。
いや、お前しか出来ないと、判断もした。」
青嵐は焦る。
明らかに、その父上の発言がだ。
危機感にも近い気がするのだ。
銀楊は考えたくないからこそ。
言いたくもない事でもあった。
「私も、『今は疑念』だ。
それに『確証』もない。
まして、あり得ない事だが…
気になっている点がある。
『そこ』を見て欲しい。
勿論、私が居る時は、休んで居ようと問題はないが…
『光希の全部を記録』して、私に渡せ。」
「父上!?
な、何を、隠しているのですか!?
『母上の事』でしょう?
その指示は!!」
こんな強引な異動をし、最初にさせる父上だ。
必ず『母上の件』が、余程でないと出されない事は判るのだ。
それは青嵐だからこその発言でもあった。
銀楊は首を僅かに振る。
「…まだ『確証』がない。
だから、調べたいだけだ。」
「父上っ!!」
青嵐の様子を察しながらも。
銀楊は迷う…
だが、優先する事…
それは『光希』だ!!
銀楊は言う事を選んだ。
「…青嵐、お前に言ったな?
光希が『子を産む代償』を。
だが、『私が確認』していても、『身体』に異常はない…
それに『事例もない事』だ。
それでも光希は、既に『事例にない事』を。
どれだけ『多く』している?
既に『女児』すらも産んだ。
更にその時すら、『お前も居た』のだから。」
「!?」
「そうだ。
『身体』には、問題がない。
私が治療をしているし、『確認』もしている。
それでも少し…
『違和感』に近いからこその『仮説』だ。
それを『確認したいだけ』だ。」
「それは…」
銀楊は青嵐に強い目で言った。
「良いか、聞け。
光希が『全て代償』を受けている。
私がするのは、子を早く避け、高位治療術をし続けていた。
そして、それは効果もあった。
現在でも『身体』には問題はない。
だが、既に光希は『代償』を出し、何人産んでいる?
当人は自覚すらない。
これは『本能にも』近いから仕方がない。
だが、光希の場合。
更に『代償が大きい部分』がある。
それは『特殊能力や異能の子を』産んでいる。
青嵐もだが、『全員』だ。
どんなに遡り、調べても、そんな記録はない。
つまり、それらの『能力』などまで。
『光希』が授けていなければ…
あり得ない話にもなる。
既に『代償がある』にも関わらずだ。
簡単に産まれないからこその力すらも。
『自らを削っている仮説』にも等しい。
身体も回復しているし、確認はしている。
それでも…
最近の光希は…
良く『寝てる時間が増えた』ような気がする。」
青嵐も、その言葉ですぐに浮かんだ。
そう、最近は良く、何でもないようなところでも…
『母上が寝て』しまったりするのを思い出す。
銀楊は、そのまま続けた。
「確かに『身体』は回復し、『確認』もしている。
そして光希も普段とは変わってはいない。
それにも関わらず、最近の光希は…
『睡眠時間』が以前より『長く』なっている。」
「!?」
「大体の予測は判ったな?
…あくまで、こんな事例も、確証すらもない。
だが、既に光希は、その事例にすらない事をだ。
いくつもしている。
私は身体の負担や消耗に関しては、歴代を比較し、答えは出せた。
ならば、なぜ。
光希は、歴史も含め。
『あり得ない事例を出している』か、判らない。
私の仮説にも、保証はない…
光希が、そういう『強い子を産んでいる』のは事実だが。
私はそこで『身体の代償以外』を考えた。」
「ま、まさか…」
「…考えたくはない仮説だ。
だが、私は『そこを』知らねば…
光希を守れなくなる。
子を産む際…
光希は明らかに『私の子を』望み、そして産む。
その結果に身体の消耗、負担。
場合によれば、『命すらも代償』にし…
『削っている』としたら、どうなる…
『身体』を回復させたところで、意味などない!!」
銀楊は考えたくないからこそ。
目を閉じた。
そんな事は、絶対に、させたくない!!
「そんな事は可能性になくとも…
光希は今までどれだけ。
他の歴代も含めて違う事をした?
『特殊能力』に『女児』だ。
それでさえ、既に『あり得ない現象』を出している。
これでは、何も、これからが予測は不可能だ。
もし、こんな仮説が正しいならば、光希は…」
青嵐は、すぐに思考する。
父上の仮説は、確かにあり得ないだろう。
それでも…
父上の思考も判った青嵐は『理解』した。
銀楊は、また目を開けた。
そして、そんな青嵐の様子を見てだった。
銀楊は続けた。
「遅くなればなる程、どうにも出来なくなる。
そこで青嵐。
常に光希を観察し、『全てを報告』しろ。
それで判る可能性もある。
杞憂で済めば良い。
だが、遅くなれば、変える事も…
何も出来なくなる!!
青嵐ならば、普段通りに近くに居ても…
光希は、不審には思わない。
だから『普段の状態を常に注意』し、報告をしろ。」
青嵐は、すぐに『理解』して返事をした。
「はい、必ず!!」
銀楊は冷静さをと。
どうにか振り払って言う。
「ならば、今日からで良い。
『特務の直下』にする。
それだけを、仕事としてしろ。
他は何もしなくて良い。」
「はい。」
「今は、『睡眠時間』だ。
起きてる時間。
何をし、またいつ寝ているか。
『常に確認』しろ。」
「はい!」
銀楊は少し息を吐き出す。
「では、空間を解除する。
今の話は『他言無用』だ。」
「はい!!」
青嵐も思う事は1つだった。
それは母上の事だけ。
あの母上が!!
俺だって、そんな事は絶対に!!
今の父上だけではない!!
皆が、あの母上から産まれている。
あの母上を、失うのは…
絶対に嫌だ!!
銀楊は、青嵐を見る。
『認識も含め理解』したと判断する。
そして銀楊は空間の結界を解いた。
ドアのところでだった。
銀楊は、通常の仕事時にと戻る。
そして、端的に言う。
「では、行け。」
「はい!!」
青嵐は、すぐに行動する。
思考もしながらだった…
あの父上が、『俺に託そう』としている。
これからの未来も、長も、そして母上すらもだ。
絶対に、俺は!!
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