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当主の交代と後見。
それから銀楊は随時。
青嵐から届けられる『報告書』を読んだ。
銀楊は『簡単に計算を』した。
そして、銀楊の『予測通り』だった。
銀楊は、すぐにまた思考もする。
やはり、『睡眠時間』が…
明らかに『長く』なっている!!
もし、この『仮説』ならだ。
更にある『謎すら』も解けた。
銀楊は、それで『完全に理解』もした。
なぜ妖狐が『長命』かも。
その『理由すらも判った』からだった。
これならば、『本来』あるべき妖狐族の形なら…
『成り立つ事』でもある!!
銀楊は、その場ですぐに僅かな火炎術を使う。
『報告書』を瞬時に覚え、灰にした。
青嵐には、もう『本来の形も伝えて』ある。
銀楊は舌打ちした。
更に怒りすらも沸くが、どうにか抑えた。
これだけの『長い歴史』すらもか。
ずっと『誤ち』を…
どこから変わったのかも判らんが。
その記録すらない、それだけずっと昔から…
だが、今からならば…
銀楊は更に思考する。
『光希に出来る事』を…
**************************
銀楊は思考するも悩んでも居た。
子供達は、もう皆が強い。
また、今ならば女児も居る。
私は…
あんなにも愛しい『光希を』失いたくない!!
銀楊の中では、既にもう『子』よりも…
『光希の存在』が大きくなっていた。
光希は、今でも変わらず。
『私だけを』愛してくれる。
だからこそ、多少、変えてでも…
『光希を失う』ぐらいなら…
銀楊が居る部屋、場所にはだ。
『常に光希』も必ず居る。
そして無邪気に笑う光希にと私も笑う。
けれど、だからこそ…
銀楊は、思考も止めずに声をかけた。
「なぁ。
光希?」
光希が笑顔で、すぐに振り向いた。
「うん?
どうしたの?」
銀楊は『言葉』を探す。
「…光希に。
少し、聞いても良いか?」
うん?
どうしたのかな?
銀が、珍しく…
「うん。
何かあった?」
銀楊は思考し、更に悩みながらも『言葉』を選ぶ。
「光希は、『私の子』を。
産んでくれるが…
『光希は、その時』に。
何か、考えてたりするか?」
「うん?
考えて?」
銀楊は『言葉』を思考しながらも話す。
「例えば…
『何かを』願ったり…」
そう言ってからも銀楊は、光希の変化もと。
見逃さないようにと。
考えを読もうと見るが…
光希には、特に『疑問』でもない。
普通に考えてる様子でもある。
「そうだなぁ。
うーん。
『銀の為』になれば良いと。
いつも思ってるぐらいだけど…
『願う』かぁ。
あっ、たまに、あるかなぁ。」
銀楊は表情には出さずに、どうにか言う。
「…それは、何かを。
言えるか?」
「銀?」
なんだろう。
少し、いつもの銀と『違和感がある』ような…
でも、銀は意味のない事も聞かないよね?
「うーん…
難しいけど。
『銀が喜んでくれる』ようと。
考えてるかな?
『銀とだけが良い』って。
『銀に出来る事を』って。
それぐらいだよ!!」
「そうか。」
私は優しく光希に軽くキスをした。
けれど思考も続ける。
もし、『仮説』が正しければ、『私の為』か…
私に対しての、『願い』か…
ならば…
「なぁ、光希?
もう…
子は、かなり増えたのもある。
今は産まなくて、良いのではないか?」
「えっ…
でも、銀は、嬉しくないの…?」
銀楊は、すぐに察して『言葉』を探す。
「いや、私は『嬉しい』がな。
だがな…
子も嬉しいが、『光希の方』が。
私は大事に思えてしまう時がある。
子を作らなくても、愛せるのだし…
光希と、居られなくなる方が…」
銀楊は想像した事もあり。
続けられなかった。
「銀?
私はここに居るし、私は銀が好きだよ?
ずっと、側に居たいよ?」
どうしたのかな?
やっぱり、いつもと『違う気』がする…
銀楊は、どうにか、また『言葉』を探す。
「光希…
実は、少し、考えている事があるんだが。
『意見』を聞いても、良いだろうか?」
「…うん?
私の意見?」
「あぁ、私より…
『光希の意見』が、聞きたいのだが。」
「…何か、あったの?」
銀楊は、すぐに察した。
明らかに心配そうな顔をする、光希を見る。
そこでまた、少し優しく笑いながらも。
更に銀楊は『言葉を選び』話す。
「光希を。
他の『誰かに』とかは勿論ない。
それは全く、心配ないから大丈夫だよ。
前のような、大きな事じゃないから…」
ソッと、光希を抱き寄せた。
「…うん。」
「私は今、迷ってるんだ。
だから、光希の意見をな。
参考にしたいのだ。」
「私のが?
参考になるかは、判らないけど…
どうしたの、銀?」
銀楊の中にある答えでもあるが…
思考しながら『言葉を選んで』話を続けた。
「助言や、力は貸すが…
私は長を…
『青嵐に譲ろうか』と考えている。
力なら、私が貸せば良いが…
『長を辞めようか』とな。
それなら、光希の側に居る時間をな。
もっと『長く出来る』とも、思うのだが…」
光希は、素直に。
そのままの言葉にと、考える様子をした。
「うーん。
それって、つまりは、『後継ぎ』ってやつ?」
銀楊は思考が一瞬止まる。
後継ぎ…?
どうにか、また言う。
「まぁ…
そう、なるか?
まだ、若いから、知恵や力は、助けなければいけないが…
変だろうか?」
けれど、光希はキョトンと不思議な顔をする。
「いや、『普通』じゃないの?
人間だと、長男が家を継いだりもしてるし。
子供が多いから、迷ってるの?」
銀楊は意外な発言に驚いて、光希を見るが…
「うん?
青嵐が長男とかは判らないけど。
ようは『後継ぎ』でしょう?
なら、『これから先を任せるべき子供に譲る』のでしょう?
後継ぎがいなければ、家は継げないのは、人間だと普通だけど。
子供が多くて、『後継ぎを誰にする』か。
迷っているのかと…?」
銀楊は人間の思考では、全くなかった為。
意外な返答だった。
「…そうか。
『後継ぎ』か、なるほどな!
ははっ。
確かに、それがあるな!!」
「うん?
どうしたの、銀?」
もう銀楊は思う。
相変わらずの『無自覚』だが。
これは、もう、やはり凄いな。
私の意図など知らないのに…
それはまさに、『次世代を後継』は光希にとって。
『我が子が当たり前と』言うか!!
仕事や地位など、何も判ってないのに…
何でもないように!?
次の後継は『自分の子供達を当たり前』のように言うか!!
銀楊の中にはない、否。
それは『妖狐族にはない考え方』だ。
「ぎ、銀?
どうしたの?
変だった?」
また銀楊は、光希を見ると…
全くの無自覚だと判る。
更に、これは光希が間違えていたかを心配している顔か。
私は笑いを圧し殺しながらも、やはり笑ってしまう。
「そ、そうだな。
くっ。
はははっ。
いや、光希は、悪くない。
くっ、確かに、光希の。
言う通りだとな。」
「うん?
つまり?」
銀楊は自然に笑いながら、光希に言った。
「あぁ、まぁ、そうだな。
私は、『青嵐』を考えてるのだが…」
「うーん。
青嵐かぁ。
確かに、子供達の中でも、良く皆と話をしてるよねぇ。」
私はそう、青嵐を考えた。
私自身も助けられた事もあるし。
子供達は一応…
何だか青嵐を中心にしている気はする。
良く話しているのを思い出す。
銀楊は、思考を読む。
ふむ。
なるほど。
光希からしてもか。
青嵐はまた、子供達の中でも1番気も許すだろうな。
「まぁ、既に多いのも事実だしな。
だが、妖狐の中では若過ぎるのだ。
それなのに、『長を譲っても大丈夫か』と。」
光希はそれに対しても、アッサリと笑いながら言った。
「良いんじゃないかな。
『青嵐』で!
若いとしても、別にそれは大丈夫だよ。
だって間違えたら、『銀から』また教えて学べば良いよ!」
銀楊は、また笑う。
「なるほどな、良く判った。
では、『青嵐』にしよう。
そして、長を譲って、光希。
もっと『一緒に居よう』か?」
「うん!
銀と居られるなら、私は嬉しいな!」
そう言って、また笑う光希を…
私が何も、仕事も含めて言ってもいないのに。
『敵わないな』と、思える銀楊だった。
**************************
その後。
青嵐が報告に来た際に、私は言った。
「青嵐。
『報告』は、もう良い。」
「えっ!?」
青嵐は『理由が』判らない。
だが、父上の…
あんな顔は?
なぜか、これは嬉しそうだが…
『初めて見る顔』だが…
そんな青嵐を見て、察する。
「いや、確かに『仮説はそう』だがな…
光希が言った事を、そのまま言おう。
次世代の後継を聞いたら『青嵐で』とな。」
青嵐は驚く。
その『意味』が、また衝撃的だった。
つまり、それは、父上だけでなく…
母上まで!?
これから先を任せるのに『俺を指名』したと!?
そんな様子を、なぜか銀楊は面白くも感じる。
確かに仮説は大きくもある…
それでも『光希の発言』を思い出す。
「ふ、おかしくなるだろう?
光希は、こちらが何をしているかなど。
『何も知らずに』だ。
にも関わらず、私が長をやめる可能性を話してみた。
そうしたら、アッサリと『後継者』を出した。
それに対して、『青嵐』を。
お前が適任だと、すぐに『同意した』のだ。
私は、すぐに動くぞ。
『次の妖狐族の長』は、お前だ、青嵐。」
それに対して、母上すらも、自分を選んだ事にだ。
青嵐はもう、言葉にならないような『感動』をする。
そしてまた、『絶対にやり切る事も』だった。
2人を、『両親』を思いながら誓うのだ。
そんな青嵐に、銀楊は言う。
「数日以内になる。
準備もしておけ。
こちらがすぐに手配もし、『特務も全て』指示する。
今後は『青嵐の指示』にしかだ。
『特務』は一切、動かない。
そのまま他の派閥も含め、一気に私は動くぞ?
私は『後見』として、全派閥にも『決定事項』として動く。
すぐに長として、動ける用意をしよう。
意味は、判るな?」
青嵐の思考は、すぐに次の事を。
何が最善かを思考を始めながらも、父上へと礼をし、言う。
「はい!!必ず!!」
**************************
それから数日後、銀楊は決行した。
銀楊のやる事は大きく『4つ』だった。
1.『特務を青嵐の直属』に置く事。
2.『他の派閥』を含めた、全議員に『強行の決定事項』を執行。
3.『全妖狐族へ』の伝達指示。
4.『新世代の為』にする組織体制の『再結成』をする事。
側近に指示を出した。
「全特務部隊を集結させろ。」
「それと同じ日の30分後に、全議員を議会に召集だ。」
「それと全妖狐族への通達の準備だけ済ませろ。」
側近がすぐに素早く動いた。
銀楊は思う。
これでもう、誰も手を出せないだろう。
それに、『私が』だ。
『直接』してやろう。
誰だろうが、一切、異論すらも出させん。
銀楊は『全ての思考』を終えていた。
**************************
翌日。
早くも集まり、全ての準備が揃っていた。
銀楊の『直属部隊の特務』が集結していた。
その皆の前でも顔には出さず、思考する。
だが、『特務は全員』がだ。
『私への忠誠』がある。
皆が必ず、『同意する為』の指示を。
そして『伝える為』にもだ。
銀楊は少し大きな声で皆に言った。
「皆が私に、『忠誠を誓った』のを知った上で言おう。
これは次世代への基盤、将来の妖狐族。
全てを思考し、『私が出した結論』だ。
今後、私は次の長にと『青嵐に指名』し。
私は『違う場』で、動く予定になる。
私は長の座から降りるが。
その為、『直接は指示を出来なくなる』だろう。
『青嵐を主』にし。
また青嵐の間違いは、『私が』だ。
指摘し、修正もさせる。
私は事実的にも『後見』として側に居るだろう。
だが今後も全て、『私が不在になった際も』含め。
『妖狐族を考えての行動』だ。
もし、『私に忠誠を誓う』ならば。
皆が、次は『青嵐に忠誠を』見せる事。
次からは『青嵐』に。
その意を示し、動くようにする事だ。
既に我が子なら、充分、私は『可能だと判断』した。
だが、『誤ちは正す』には、『私の力』がなくなれば…
必ず『妖狐族は滅びる』だろう。
そう判断して、また『私の出した結論』でもある。
これからの新世代の、更に次世代の基盤の為にと。
皆を召集させた。
皆の行動。
それが『全ての妖狐族』にと、これからの礎にもなる。
その為に、『私も全力』を尽くそう。
だからこそ、私から、これが『最後の指示』になる。」
銀楊は、1度、止めた。
そして『特務全員』を改めて見る。
そして『特務全員』は銀楊だけを。
何も言わずに見ていた…
銀楊は大きな声で皆にと言った。
「全員に出す!!
今後は『長』ではなく、『青嵐の直属』に。
そして『妖狐族を』守れ!!」
皆もすぐにだった。
銀楊に対し、片膝だけを地につけてからだ。
『全員』が頭を下げた。
銀楊は『意味を理解した事』を認識した。
そして、その場を離れた。
更にそのまま、違う議会の場に向った。
既に指示していた通りだった。
一族の様々な派閥の議員も含め、召集して居た。
そこに入り、また皆を見る。
銀楊は、さっきと全く違う事にすぐ気付く。
明らかに『騒めいて』も居る状態でもある。
内心、愚か者ばかりと思うが…
その皆の前に立つ。
さっきとは、また別。
その意味も含め、『断言』するように告げた。
「聞け!!
私は長の座を降り、『時期長の座を指名』する。
次の長、それは我が子の『青嵐』だ。
既にそれも任命し、準備は済ませてある。」
皆が一気に、また騒めき出す。
それに対して、銀楊は一切反論させる気もない。
だからこそ妖気も出し、話を優先すらも続けた。
「我が子は既に優秀であり、まだ若くはあるが充分可能だ。
若さがあるゆえ、私は新たな『長』に対してだ。
『後見』として指摘し、導くだろう。
また、異論や議案に関して。
問題が大きいのであれば、『私が直接』に動く。
今後は、私は『長としては』動かない。
だが、既にもう。
私の『直属の特務も青嵐へ』と引き継がせた。
その『特務』は、次の長。
『青嵐の指示』でしか、一切動かない。
更に今後、大きな動きがあれば…
私が『長』ではなく、『個人』として動く。」
皆が沈黙した。
それは、ある意味。
『一族最強の妖狐である銀楊』が…
自ら動き、鎮圧をする『意味』でもあるからだった。
銀楊は更に妖気を上げた。
それも一気に『皆に』と向けた。
その高めた妖気を見せながら続けて言う。
「次の長の指摘も勿論しよう。
だが、あくまで私は『後見』だ。
更に言うならば。
新たな長の『青嵐』の指示で、私だけではない。
『特務』も、『私』も。
更に『新たな世代の我が子』すらだ。
既にもう1400人以上は居る…」
皆が戦慄した。
「今度も含め、一派全員ですらもな。
既にもう『団結』すらしている。
そして『全てが動く』だろう。」
銀楊は、徐々にと妖気を上げ続けた。
「今後の動きは、しばらく私が動きながら修正はするが。
皆は全てを、新たな長である『青嵐』を中心にしろ。
…裏で何をしようと構わないが。
だが、私の目があり、力も、全て。
次の長の『青嵐』を主にする。
状況に合わせて、場合によっては…
『私個人でも、自由にも動く』だろう。
『愚か者を消すだけ』の事。
これに関して、既に『決定事項』だ。
それを踏まえて、私は『行動する事だけ』か。
私には『単純過ぎる判断』でもあるな。」
そのまま妖気を上げ続けながら『断言』するように言った。
「もし、今の件が受け入れられぬならば。
私は今、『この場で全力で』消すのみだ。
これらの『決定事項』には、一切の『異論すら』受けん。
『この場で生きて』たいならば、黙って指示に従え。
死にたいなら、『瞬時に殺して』やろう。」
皆が何も言えない。
言える訳もないのだ。
余りにも強い妖気…
もう恐怖のみだった。
銀楊が、自ら動くと言い…
また既に『特務』すらも、引き継がせてると。
更に1400人以上の『天才児集団』だ。
そう、銀楊は全て判っていた。
だからこそ、口元だけ笑う。
更にと妖気を上げた。
『絶対的な力』も出し、銀楊は続けた。
「既に我が子の『青嵐』にすらだ。
この場にいる者、『全てが誰も』勝てぬ。
それに『下手な奇策を』すれば、『私が逃す筈もない』ぞ。
滅びるのは、そちらと認識しろ。
私は一切、手加減などもしない。
『全てを潰して』でも、こちらの意見は一切変えぬ。
これは『決定事項』だ。
生きてたいならば、それすら簡単だぞ?
これからは新たな長の『青嵐』の指示をだ。
聞けば良いだけの事。
私が更に『後見』でもある事もだ。
異論は受け付けん。」
銀楊は、既に恐怖で動けずに…
更に反論も出来ない皆を確認するように見た。
そこで妖気を下げて、補足のように言う。
「一言でも、異論を出せば。
『今でもこの場の皆』を、消すのも簡単な事も。
忘れるな。」
皆が沈黙する中で銀楊は、その場を去った。
**************************
そして、その日。
すぐに妖気族の全てに、銀楊は通達を出した。
銀楊の『最後の通達』でもある。
それすらも皆には衝撃的であった。
【全妖狐、伝達内容:厳守せよ。】
既に決定事項であり、異論は全て不可とする。
1.新たな妖狐一族の長を『青嵐』と決定。
2.『前当主の銀楊は後見』に決定。
3.『現在の姫に関して』のみ。
『前当主の銀楊に決定権』を有する事。
4.『現在の最高議会を解体処分』をし、それと同時に。
『新たな議員の選抜試験』をする事。
【以上、前当主:銀楊。】
その伝達を全て済ませた銀楊。
そして、青嵐に『長の座』を引き継がせた。
同時にと、青嵐もすぐ動き出す。
青嵐が、まずした事、それは『4の選抜』だった。
青嵐は、『4の選抜時』にと。
前当主の銀楊と、『同じ方法』を取った。
『特務』以外でも、『同じ』よう動かす為にと。
新たな議員、その選抜時に行う『試験からだと判断』もして動く。
その試験内容は、かなり厳しく、それらを『全て合格した者』のみ。
『新たな最高議会』は、そうして作られ…
青嵐を主にし、妖狐族も『全てが新たに』と動き出した。
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