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「それじゃあ本題に入ろうかノワ君、君は私の人工魔精が見えると言ったね。君は何者なんだい?」
そう言って彼女は人差し指をピンと立てると、そこからは先ほど見た色と違う色の蝶が生まれる。
僕は一瞬その色に目を奪われて、ハッとする。人工魔精、彼女が言ったそれを僕は知らない。なんともファンタジックな名前だが、彼女の言い振りからして普通は見えないものらしい。
それに僕が何者かをどう説明しようか。馬鹿正直に今までの経緯を話すとなると。トラックに撥ねられ、死んだと思ったら、異世界転生していたと説明する事になる。
信じてもらえれば、この世界について教えてもらえる可能性があり大変助かる。
しかし、デメリットとしては、頭がおかしい奴だと思われて追い出される。だけならいいが、警察のようなものに差し出されたり、最悪殺される可能性も無いとは言えない。
……迷いどころではあるが、正直この世界がどうなってるのか分からない以上、下手な嘘をついてボロを出す方が困る。それならある程度事情を説明したほうが良さそうだと自分の中で結論づける。
僕は転生云々は無しにして、気がつけば知らない土地の市場の真ん中に立っていたことを説明する。
そしてそんな中で何か色の塊のようなものが飛んでいくのが見えて、それを追いかけるうちにここに来たことを話した。
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