優劣

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優劣

「綾瀬美麗さん。これが、あなたの診断結果よ」 担任から、封筒に入った1枚の紙を渡される。 小学5年になって行われた検査の結果で、わたしは自分がαであることを知った。 男と女以外に存在する3つの性。 αは優れた才能を持つ、とにかくなんでもスペシャリスト、エリートな集団。 βは平々凡々。 そしてΩは最も希少な存在にもかかわらず、発情期があることで敬遠され、繁殖にのみ長けていると揶揄されがちな性。 一般的にはこんなふうに言われているけれど、これが必ずしも正しいカーストじゃない。 それは、αのくせに劣等なわたし自身が痛感している。
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