回遊処女

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10話 ◉バカラ  次の日、桐谷くんと僕とアリーナは朝食を小籠包の店で食べてた。  桐谷くんはもうアリーナは一週間買いしたものだと思ってるのでここに一緒にいることに疑問は抱かなかった。 「アリーナちゃんの分はおまえが出せよ」 「わかってるって」 「オーチンフクースナ!」 小籠包を食べたアリーナがふとロシア語を使った。めっちゃ美味いってことなんだろうが改めてふと、(あ。ロシア人だったっけ)と思った。 「ねえ、今日はどうスルノ?」 「そうだなあ、桐谷くんは?」 「そりゃあ、バカラに決まってる!マカオの目的はバカラだからな」 (そういうもんなんだ) 「じゃあ僕らもなんかギャンブルして遊んでみようか」 「ええー、大丈夫?アナタ勝負弱そうだけど」 「アリーナちゃん、それは違う。こいつはこう見えて日本じゃ超一流のギャンブラーなんだ。種目は1つしかやらないけどな」 「ええ?ウッソー」 「本当さ。天才マージャン打ちって言ったらコイツのこと以外ありえない。そんな男なんだぜ」 「へええ、マージャンかあ。ムズカシソー」 「まあ、せっかく来たんだ。僕らもバカラとやらをやってみようよ」 「おう、そうしろそうしろ。セックスばっかしてねえでゲームも楽しんでけよ」 (アリーナとセックスしたのは昨日が初めてなんだがな) 「もう、ヤダー。恥ずかしいこと言わないでよキリタニサン」 「羞恥心のあるロシア人美人娼婦とか最高かよ」 「だめだぞ、桐谷。アリーナは今、僕のだからな」  僕らはその日はバカラを楽しんだ。 初めてやるバカラだったが、僕は持ち前の勘のよさで6000香港ドルほど増やしたのだった。
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