回遊処女

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11話 ◉明日の約束  増えたお金で美味しいものでも食べようかと考えたが、どこがいい店なのかわからなかった。   「オイルサーディンと飲み物でも買ってお部屋でゆっくりしながら食べて飲んでで私はイイよ」    そうアリーナが言うのでその提案に乗った。オイルサーディンはこちらだと1つ10香港ドルとお買い得なのでお土産などに選ばれやすい。  桐谷くんはバカラで負けが込んで取り返すまでやると言い残っている。負けが増えなければいいが。 「今日、楽しかったネー」 「ギャンブルは勝てば楽しいからね。あのくらい勝てればいいよね」 「明日はどースルノ?」 「まだ、歩いてない所に行ってみたい。アリーナと2人で。お散歩デートがいい」 「ヤダあ。アナタいつの間にそんなに私のこと好きになったの?」 「ひと目見た時から惹かれてたよ」 「ウフフフフフ。ワ・タ・シ・も❤︎」  その夜も僕たちは肌を重ね合った。昨日よりも濃厚なキスで、昨日よりお互いが愛し合っていることを感じた。 「アリーナ、愛してる」 「アイラブユーってこと?」 「そう」 「嬉しイ」  肌と肌がぴたりとくっついて離れない。離れようとしない。僕らは抱きしめ合ったまま明日も遊ぼうと約束をして、眠りについた。 明日もまた遊べる。それは貴重なことだった。だって僕の滞在期間は一週間だけなのだから。  明日はもう、マカオにきて4日目になろうとしていた。
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