回遊処女

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13話 ◉一週間恋愛  4日目の夜。今夜もアリーナと僕は濃厚な夜を過ごしていた。そして、それだけに僕は別れが怖くなってきてた。  僕が行動を共にするこの数日間は、ただのアリーナ。ただの18歳だが、この手を離してしまったら。リスボワで回遊女となり知らない男に買われて行くのかと思うと狂いそうだった。 「どうしたの、ナンだか落ち込んでる?つまんなかった?今日」  ベッドの上で裸のアリーナが僕のことを心配してくる。僕も何も着ていない。暑い日だったしそんな季節だった。 「そんなことないよ。楽しかったさ。だから、別れるのが…怖くて」 「かーわいい!大丈夫よ、怖くないよ、それに日本に帰ったら恋人にも会えるデショ」   「なんで、いると思うの。恋人」 「いるに決まってル。いないはずない。こんなに優しくて、イイ男。女達がほっとかない。それが当たり前ダヨ」 「いるのかな、恋人っていうとどのような関係からそうなるのかな」 「ソーねー。キスしたら。かな」 「まずいねそれだと2人いるよ」 「もーーーー!!!なんでウソでもいないって言えないの!しかも2人とか!バカバカバカバカ!キライキライ!」 「ごっ、ごめんなさい」 「いーよもー!どーせセックスもしてんでしょ!ヤダヤダ。スケベ」 「いや、それはいないな」 「ウソつき!」 「ほんとだよ。最近じゃアリーナだけだ」    アリーナは少し赤くなる。アリーナ『だけ』という所にどうやら満足したようだ。 「あっそっ…そんなら許してあげよっか。仕方ないなぁー…もう」  そう言うと、アリーナは抱きついてきた。  また僕らは愛し合った。  こんな日がずっと続いてくれたらいいのに。  でも、アリーナが大好きなヴェロニカを置いて自分だけ日本へ来るなんてことは絶対にないのは分かりきっていた。僕らはどうやってもあと2日で終わるのだ。    僕の恋は、ほぼ強制的に強引に始まり。また、ほぼ強制的に失恋して終わるのだ。  ほんの一週間だけの。恋。
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