大門 楓:PL そら子

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大門 楓:PL そら子

クトゥルフ神話 TRPG『ムシノシラセ。』 今日は8月10日。 むしむしとうだる、ある夏のことだった。 あなたはその暑さにも負けず、出かける準備をしていた。 今日は友達と遊ぶ約束をしているのだ。 友達の家でお昼を食べて遊んだら、夏休みの課題であるプールへ入りに行く予定だ。 <家を出るまでのRPを自由に行える。 友達との関係や、エピソードなどを語っても良い。 家を出るとシーンが進行する。> 大門 楓(やまと かえで) : 山門 楓は、朝からドキドキしていた。 夏休みに入る前から今日を楽しみにしていた。 カレンダーに〇をつけ、何日も前から準備をして、今日を心待ちにしていたのだ。 ―今日はクラスのみんなで遊ぶ日。 さいきん、男の子はぼくのことあそぶのまぜてくれないし 女の子たちの好きなものぼくにはわかんなくてつまんなかった。 でも夏休みだからってみんなでプールにいくの、さそってもらえてうれしかった! 今日、すっごく楽しみにしてたんだ!― はやる気持ちが抑えきれないものの、約束の時間まではまだかなり余裕がある。 母親は、まだ時間があるんだから、落ち着きなさいというかもしれない。 待ちきれないなとソワソワしていたが、ふといいアイディアを思いついた。 ―いつもの通り道にいるネコちゃんも おとなりさんのワンちゃんも、いっぱい鳴いてるセミたちもぼくの大切な友だちだから、いってきますっていわなくちゃ。 だから早くおうちをでてもいいよね!— 昨日からほとんど準備万端だった荷物を肩にかけ、母親から渡されたお小遣いと飲み物をしまい込むと、意気揚々と家を出る。 「いってきまーす!」 KP : あなたが元気よく挨拶すれば、もう行くの?!と驚いた声を出した母親が慌てて玄関まで見送りに来るだろう。 「張り切っているのはいいけど車が通るんだから、信号を見て、右左を見て渡るのを忘れないようにね」 心配そうにしながらも笑顔の母親に見送られ、あなたは真夏の空の下へ飛び出すのだった。 目的地の場所までは少し距離があるが、道中にはあなたの知り合いがたくさんいる。自分の足でみんなのもとを巡るのもいいだろう。 少し行けば車通りの多い大通りに出るが、今のあなたには時間がある。 <大通りに出るまで自由に寄り道ができる> 大門 楓(やまと かえで) : 母親に見送られ外に出れば、ミンミンと蝉が鳴いている。 近くの街路樹に近寄り、よく目を凝らせば、幹にピタリとはりつき鳴いている蝉を見つけることもできるだろう。 「今日もげんきだね!ぼくはね、がっこうのみんなと遊びに行くんだよ。いってきます!」 ジリリ。と蝉が鳴く。いってらっしゃいと言われた気がした。 そうして、蝉に声をかけながら、お隣さんの庭を覗けば、いつも遊ばせてもらっている 秋田犬の小太郎が庭の木陰で涼んでいた。 「小太郎、今日もあついね。あとで、飼い主のおばあちゃんにちゃんと水浴びさせてもらってね。 ぼくはこれからプールにいくんだよ。いいでしょ?がっこうの友だちといくんだよ!」 KP : <生物学> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=41 生物学 (1D100<=41) > 70 > 失敗 KP : 楽しそうに語るあなたの方を見る小太郎だが、今日は特に暑いからか涼しそうな影の落ちる木陰から出てくる気がないらしい。緩く尻尾を振って「いってらっしゃい」と言っているようだ。 大門 楓(やまと かえで) : 尻尾をふる小太郎を見れば 「帰ってきたらまた、ほうこくしにくるからね。あついからぐあいわるくならないようにね。 いってきます♪」 と声をかけ、自分も緩く手を振った。 大通りまでの道をまっすぐに進んでいく。 大通りに出る前にいつもの公園を通りかかる。 最近このあたりに何匹か野良猫が住み着いている。 初めは逃げられてばかりだったが根気よく通いつめ、最近は少しだけ近づくことができるようになってきた。 「ねこちゃんいるかな?」 あたりをキョロキョロと見渡した。 KP : <目星> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 46 > 成功 KP : 茂みでちらりと様子を窺っている野良猫の姿を見つけることができた。 上手く近づけるかどうか分からないが…… <自由にRPを挟んだあと、近づくことができるかどうかは生物学で判定を行う> 大門 楓(やまと かえで) : ―…あっ!いたいた。― 「ごめんね、今日はおやつをもってないんだ」 そう呟きながら、ゆっくりと猫との距離を縮めていく。 荷物の中にはおもちゃの猫じゃらしがある。 ある程度距離を縮めたところでそっとしゃがみ込み 猫の方へ猫じゃらしを向け左右に動かす。 「よかったら少しだけぼくとあそんでほしいなぁ」 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=41 生物学 (1D100<=41) > 68 > 失敗 KP : おやつがないことにガッカリしたのか、あからさまにつれない態度を取られてしまった。 まだまだこれから仲を深めていく必要がありそうだ。 大門 楓(やまと かえで) : 「あっ!いっちゃった…。 でも、おやつですきになってもらうんじゃなくて ぼくのことをしんじてもらいたいから またこんど、会いにこよう! それまで、くるまとかにきをつけるんだよ!」 -あいかわずかわいいネコちゃんだったなぁ でも、あまりしつこくしてもいけないよね。- 楓は公園をあとにする。 ここで友達をふやすにはもう少し時間がかかりそうだが いつもの通学路とおなじ道を通れば、すでに仲よしの猫も 花や虫たちも見かけるだろう。 そのひとつひとつと遊びながら進めば いつもより時間がかかっているはずの道のりも あっという間に大通りまで出ることになる。 KP : たどり着いたのは車通りの多い大通り。 あなたは信号機のある交差点へ差し掛かった。 <目星> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 61 > 成功 KP : あなたは赤信号に引っかかってしまったため、横断歩道の前で止まることになる。 車でも通れば暇も潰れるものの、今はその車すら通らない。 対向車すら車は見当たらず、遠くに道路の地平線が見える。真夏の暑さのせいだろうか。地平線は輪郭をゆらゆらと歪ませていた。 夏の真昼間だからだろうか。 この車通りの多い道路をこんなに見渡せるのも珍しいなと思いながら、ぼんやりと信号機と道路の地平線を眺める。 そうしているうちに、信号が青色に変わる。 あなたは先を急いだ。 大門 楓(やまと かえで) : ―あ、そうだ。ミギをみて、ヒダリをみて~ くるまがいるかみて、わたってねっていつもおかあさんが・・・― 「でも今日はいないなぁ。なんだかめずらしいなあ…」 信号が変わり先へ進む。 待ち合わせ場所である、友達の男の子の家にいくのは なんだか久しぶりな気がしていた。 前はよく、昆虫図鑑を見せてもらいに行っていたからだ。 行き方はバッチリ覚えている。 寄り道をしたものの、随分余裕をもって家を出たのだ 時間に少し余裕をもって到着することができそうだ。 「ぼく、1ばんのりかな。」 てくてくと歩を進め、目的地が見えてきた。 KP : 友達の家へ辿りついた。 あなたはインターホンを押す。 いつも通りのルーティンだ。 ピンポーン 電子音が響く。 いつもなら、廊下や階段を降りる足音が聞こえ、扉が開く…… ……はずなのだが、何故か足音1つしない。 もう一度インターホンを押した。 ピンポーン 再度無機質な音が響く。 なんの音も聞こえない。 <どうする?> ・何らかの手段で友達に連絡をとる ・駐車場を確認する ・家の玄関が開くかどうか確認してみる 大門 楓(やまと かえで) : -あれ…?だれも出てこない…。 なにもきこえない、どうしたんだろう- 約束の時間にはまだもう少しある。 先にいってしまった―・・・ということはないだろう。 日付を間違えた?そんなはずはない、あんなに何度も確認したのだ。 ▶駐車場を確認する。 キョロキョロとあたりを見回す。 「じかんになれば、他のみんなもくるかもしれないし すこし待ってみよう。」 待っている間に、駐車場をのぞき込む。 KP : 駐車場を確認すれば、家の人や友達の自転車などがあるかどうかが分かるから出かけてるのかどうかはすぐ分かる。そのことに思い至ったあなたは駐車場の方へと足を向けた。 そこには友達の家族が使っている車と自転車が置かれたままであることが分かる。つまり、出かけてはいないということだ。 何故、返事がなかったのだろうか。 大門 楓(やまと かえで) : 「おでかけしてるわけじゃなさそうだ。 それなら、いつもみたいにママがいらっしゃいってしてくれるはずだよね」 気づけば約束の時刻となっていた。 他に誰もあつまる様子はないだろうか? 万が一誰かが帰ってくる様子はないだろうか。 相変わらず周辺に注意を向けながら家の前で少し待っていたが 不思議におもった楓は、もう一度チャイムを鳴らす。 誰も出てくる気配がなければ 玄関のドアに手をかけるだろう。 ▶家の玄関が開くかどうか確認してみる KP : あなたは試しにドアノブへと手を掛ける。 かちゃり、と音がしてドアは開いた。 何度も足を運んだことのある友達の家の玄関だ。 特に変わった様子は見られない…………気がする。 何度か声をかけるが、返事はない。 大門 楓(やまと かえで) : -だれもいないのかな? かってにひとのおうちに入るなんてだめだよね…。- 一度玄関を出て、近くの公衆電話に向かう。 テレホンカードを持たされているので使い方はわかるし 必要な電話番号もメモで持ち歩いていた。 まずは、まだ待ち合わせ場所にきていない友達に確認の電話をかけてみることにした。 ▶何らかの手段で友達に連絡をとる KP : しっかりと準備してきているあなたは公衆電話で連絡を取ろうとすることができるだろう。 しかし、用意してきている番号にかけてみても、誰も電話に出ない。 あなたは思いつく限りの場所を探したし、連絡をとる努力もした。 しかし約束の時間になっているのに、誰とも会うことができないままだ。 <POW×5> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=14*5 POW (1D100<=70) > 61 > 成功 KP : 少々不気味に思うが、たまたま友達がいないだけだと思い込むことができる。 あなたは…… <どうする?> ・帰る ・プールに行ってみる 大門 楓(やまと かえで) : ▶帰る 友達に電話をかけても誰にも繋がらない。 もう一度友達の家を見に行ってみるが 誰も来る気配はない。 ―たまたまみんな、つごうがわるくなったのかな。 ぼくのおうちにも、でんわが来てるかもしれない。― 母親に何か連絡が来ているのではないか? そう思いたった楓は仕方なく来た道を引き返し 一度自宅へ帰ることにした。 KP : 何か急なことがあったのかもしれない。 連絡があるとしたら家だ。 あなたは、釈然としない気持ちを抱えたまま来た道を戻り始める。 明るすぎる空と照り付ける太陽。 空気がゆらめくほど熱されたアスファルト。 それ以外は……。 ……あなたは大通りの交差点での<目星>を 成功している <アイデア>+20 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=50+20 アイデア (1D100<=70) > 70 > 成功 KP : そういえば、とあなたは思い出す。 今日の行きの時も、車は1台も通ってなかった。 今も、1台も車は通らない。 ただ規則正しく、信号機だけが色を変えている。 そしてふと思い返す。 通らないのは車だけではない。 誰ともすれ違っていない。 いくら暑いとはいっても、それなりに見通しのいい道の向こうまで誰一人姿が見えない。 改めて、この世界に自分1人しかいないのではないか。 帰っても、誰も居ないのではないか。 考えつきたくない答えに辿り着いてしまった。 KP : <SANチェック 0/1D3> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=70 SANチェック (1D100<=70) > 10 > スペシャル 大門 楓(やまと かえで) : 「まさか、そんなわけない。 でもやっぱりおかしいよね、たしかにぼくは今日、ひとに会ってないや…。」 朝、笑顔で送り出してくれた母親の姿を思い出す。 「おかあさんはちゃんといた。 今日だってこのじかんならきっとまだおうちにいるはず」 なんとか自分に言い聞かせた楓はハッとする。 何故こんなことに気づかなかったのだろう。 母親にも電話をかけてみたらいいのだ。 友達からの連絡があったかどうか、聞いてみたらいい。 きっと母親は電話にでてくれるはずだ。 駆け足で公衆電話まで戻り メモを見ずとも覚えている自宅へコール音を鳴らす。 KP : 家に繋げたはずの電話口からは、ツー、ツーという通話中の音が聞こえてきて繋がらない。 あなたに、それが通話中と分かるかどうかは自由に決定してよい。 ダイスで決める場合は<知識> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=50 知識 (1D100<=50) > 84 > 失敗 大門 楓(やまと かえで) : ーまさか。ー 母親もいなくなったかもしれない 嫌な予感が頭をよぎった。 すぐに帰らなきゃ!と走り出そうと振り返ると そこには依然としてひと気のないがらりとした景色が広がっていた。 「ほんとうに、おかあさんまでいなくなってたらどうしよう・・・」 恐ろしいことを考えているはずなのに 目の前に広がる光景はいまいち現実味がなく なぜか、楓の頭を冷静にさせた。 -人のあつまりそうなところをみにいってからにしようかな…- 知的好奇心か、現実逃避か。 何がそうさせたのか、プールのほうへと歩を進めることにした。 KP : 迷った挙句、あなたは結局学校のプールまで足を進める。 頭上からはジリジリと太陽が照りつけていた。 自転車置き場には、数台の自転車が停められている。 ステッカー等で学生のものだと分かる。誰かプールに居るのだろうか。 KP : 〔このシナリオの特殊探索ルール〕 探索する前にPOW判定を行う。 失敗すると恐怖で足がすくんでしまい、ついには逃げ出してしまうことだろう。 ・1か所調べる毎にPOW判定に-1の補正がかかる。 ・POWロールに失敗しても探索は可能だが、次のPOW判定が更に厳しくなる。 ・強制失敗の値になってしまうと恐怖で逃げ出してしまう。 ・POW×0で無理やり探索を続ける決意をする場合は確定で1d4のSAN減少 ……あなたは先程の友達の家でのPOW判定を 成功している。 <POW×4>からスタート KP : 【探索可能】 ・プールの周辺 ・更衣室 ・プール内 探索箇所を決定したら<POW×4> 大門 楓(やまと かえで) : すぐに母親の安否を確認したほうがよかったのかもしれないが どうかんがえても異常事態だ。 まずは確認出来る場所を見てみるのも良いだろう。 学校にも依然としてひと気はないが、自転車があるということは 夏休み真っ最中である今日、誰かが学校へ来たということだ。 「じてんしゃだ。だれかきているのかな…」 もしも誰かいるとしたらまさしくプールだろう。 楓はプールへ向かった。 その途中も誰か、人の気配がないか十分に注意を払う。 ▶プールの周辺 [メイン] 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=14*4 POW (1D100<=56) > 26 > 成功 KP : 友達の姿がないか、せめて誰か人の姿が見えないかとプール周辺を見て回る。 相変わらず空は快晴で、雲ひとつない。 天高く掲げられた旗は、現在遊泳可能ということを示していた。 あなたは周囲の気配に…… <聞き耳> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=65 聞き耳 (1D100<=65) > 84 > 失敗 KP : 聞き耳を立ててみる。 そういえばあれだけ騒がしかった蝉が大人しくなっているようだ。 偶然だろうか。 それとも、人だけではなく生き物すらいなくなってしまっているのだろうか。 不安が微かに首をもたげる。 <SANチェック 0/1> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=70 SANチェック (1D100<=70) > 10 > スペシャル 大門 楓(やまと かえで) : 今朝家を出た後は沢山の友達がたしかにいた。 こんな風になんの気配も感じなくなったのはどこからだろう。 「そんな…。ぼくひとりぼっちになったら、いやだな…。」 現状、確信に至ることはできない。 それならばやはり、一つずつ調べていくしかないだろう。 足がすくみそうになるのを堪え ぐっと顔を上げ前をみる。 いよいよプールの方へと足を進めることにした。 KP : ぐるりと周囲を見渡しながら足を進めていく。 <目星> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 54 > 成功 KP : あなたはひとつの事実に気づく。 更衣室から人が出てくる気配が全くない。誰一人、プールに向かう人を見ていない。 そして見る限りプールに人影はなく誰も泳いでおらず、ただキラキラと水面が輝いている。 監視員のいるハズ椅子も無人で、そこにポツンと佇んでいる。 プールの遊泳可否を示す旗が、天高く掲げられ、陽に照らされてキラキラと輝いていた。 旗の色は、雲と同じ綺麗な“白色”。 “遊泳可能時間”を示していた。 時計を見る。時刻は昼過ぎ。プールも入れる時間となっている。 この時間なら必ず人がいるはずだ。 なのに、今ここに、人間は自分1人だけだ。 それは…………おかしい。 背筋にゾッと悪寒が走る。 <SANチェック 0/1D2> 「だれもいない…どうして?」 CCB<=70 SANチェック (1D100<=70) > 51 > 成功 大門 楓(やまと かえで) : 何故、誰もいないのか。 いつからいなくなったのか。 そして何故、自分だけがここにいるのか。 ここは一体どこなんだろうか。 何が起きている…? 幼い楓はなにをどこまで想像しただろうか。 纏まらない思考回路を働かせ、考える。 -ぼくはこれからどうしたらいいんだろう…。 みんなをさがすの?かえりみちをさがすの? どうしよう…。- KP : 探索を続ける場合は<POW×3> 【探索可能】 ・更衣室 ・プール内 CCB<=14*3 POW (1D100<=42) > 38 > 成功 大門 楓(やまと かえで) : 「せっかくここまで来たし、もう少しなにかないか、しらべてみよう。」 ▶プール内 KP : 見るからに誰もいないプールだが確認のために立ち入ってみることにした。 <目星> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 83 > 失敗 KP : あなたは更にプールサイドの方へ近寄る。 そしてプールの中を覗き込んだ。 目だ。 目が合った。 一対の目が、水底からこちらを覗いていた。 一つだけではない。 数えればキリがないくらいの無数の目。 よく見れば、それらは全て人間の目ではなく、蜘蛛のように規則正しく並んでいる。 ゆらゆらと揺れる輪郭からうまく判別出来ないが、白い体で、歯の並ぶ大きな口がある事が分かった。 手乗り位の小さな個体であるものの、それらが何百体と水底に沈み、あなたを見つめている。 <SANチェック 1D6/1D10> CCB<=70 SANチェック (1D100<=70) > 41 > 成功 1d6 (1D6) > 2 異常な光景に思わず悲鳴が上がりそうになる次の瞬間、バチンと視界に電流が走ったように白くなる。 瞬きすれば、それは直ぐに元のプールへと戻った。 なんだったのだろう、とあなたが何か行動を起こそうとした時。 ブチリ、と音を立て、付けていたお守りがプールサイドのコンクリートの上に落ちる。 『何か怖い事があったら、お守りにお願いしなさい。』 貰った人に、そんな事を言われたのを覚えていた。 大切にしていたストラップが切れた事と、先程の怪物を思い出し、今すぐにでもここから出たい衝動に駆られる事だろう。 【探索を続ける場合はPOW×2】 大門 楓(やまと かえで) : 「い、いまのは…目…? びっくりした…。いっしゅんクモみたいな目だと思ったけど…ぼくのしってるかわいいクモとはちがう…。」 思わず目をこすり、恐る恐るプールをのぞき込むが やはり変わったところはなかった。 「おまもりも切れちゃった…。」 コンクリートに転がったお守りをそっと拾い上げる これは小学生になったときおばあちゃんからもらったお守りだった。 「ぼくが虫やどうぶつをおっかけて、すぐいろんなところへいっちゃうから… なにかあったらこまるでしょって、おばあちゃんがくれたのに…」 普段は当然のように荷物に着けていたし、 そんなに意識して持ち歩いていたわけではない。 しかし、いざ千切れた姿を見ると、もらったときの光景がふわっと頭の中で再現されるようだった。 「こわいことがあったら…かぁ」 おばあちゃんの優しい声色を思い出しながら 大切に、お守りを荷物の中にしまい込んだ。 「ぼくはがんばってまた、おかあさんにもおばあちゃんにもあいたい だから、もとにもどれるほうほうをさがしたい」 CCB<=14*2 POW (1D100<=28) > 44 > 失敗 ▶更衣室を探索する 家族のことを思い出し、自分を奮い立たせたものの やはりこれは異常事態。 そして先ほど見た恐ろしい何かの存在がチラつく。 言葉に反して心臓は、大きく鼓動を鳴らしていた。 KP : あなたは、更衣室の扉を開ける。 そこに人はおらず、がらんとしていた。 <目星> 大門 楓(やまと かえで) : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 82 > 失敗 KP : 誰もいないと思ったあなたは、すぐ近くの棚に目を向ける。 そこには、誰かのの水着バックが置かれていた。 透明なビニール製の袋の中には、タオルと着替えの洋服が乱雑に押し込まれていた。 確かにプールに入りに来た人間はいる。 なのに、今ここで動く人間は、自分一人だ。 <SANチェック 1/1D4> CCB<=68 SANチェック (1D100<=68) > 80 > 失敗 1d4 (1D4) > 2 大門 楓(やまと かえで) : 「・・・やっぱり、今日ここにだれかきたんだ。 なのにいまはだれもいない・・・ ぼくがおうちから、ともだちのおうちにいくまでのあいだに みんなきえちゃったってこと?」 恐怖を紛らわせるようにひとりごとをつぶやくが 質問に答えてくれる人もいない。 辺りもやけに静かだ。 「だったらなんでぼくだけきえないの?」 自分の声が空しく響く。 途方にくれたように、そっと更衣室をあとにした。 KP : あなたは、考え得る場所を全て探し終えた。 だが、そのどこにも人の姿はなかった。 行く当てを失ったあなたは、家に帰るほかない。 大門 楓(やまと かえで) : 「かえろう…」 でも、帰ってどうなるんだろう? 母親はいるのだろうか、どうしようもない不安と、早く確認したい気持ちから自然と足早になる。 来た道を引き返すが その道中、またどこかで蝉の鳴き声はないか? 友達の猫の姿が見えないか? 自然と、生き物の姿をさがしていた。 KP : <聞き耳> 続けて <生物学> CCB<=65 聞き耳 (1D100<=65) > 57 > 成功 CCB<=41 生物学 (1D100<=41) > 13 > 成功 KP : 耳を澄ませ、注意を払っても、やはり生き物の気配を感じとることはできない。 しかし、改めて生き物のことを考えてみれば、この最も暑い時間帯にはさすがの野生動物も暑さを凌ぐために隠れているのかもしれない。 蝉ですら、日が出ている間ずっと鳴いているわけではないとあなたは知っている。 大門 楓(やまと かえで) : 「なんだかすごく長いじかんがたったきがするけど、まだおひるすぎだもんね、。 みんな、かくれてるだけかもしれないよね。きっと、だいじょうぶだよね。」 なんとなく、そう思いながらも足を止めることはなかった。 もうすぐ家にさしかかる。 となりの家の、小太郎の小屋の方に目を向けた。 KP : 小太郎の姿はない。 散歩をするには暑そうなので、もしかしたら今は家の中に入れてもらっているのかもしれない。 あなたは、自分の家の前へと差し掛かる。 その時、まるであなたの帰りを待っていたかのように母が家の前にいた。 母は、あなたの姿を見つけるや否や、駆け寄ってきて、こう声を掛ける。 「よかった!あなたの帰りを待っていたのよ!」 そう言われても違和感を覚えるかもしれない。 まだ家を出てから3,40分程しか経っていないのだ。 友達の家で遊んで、プールに入って…としていたら、どんなに早く帰って来れたとしても、軽く2-3時間はかかる。 大門 楓(やまと かえで) : 小太郎がいないなぁ、と思ったものの すぐとなりは自宅だ。 母親に声を掛けられ、その姿を目にすれば一気に安堵感が溢れる。 「おかーさん…!」 駆け寄ってくれる母親に、自分も少し駆け寄る形で足元にしがみつくだろう。 しかし、疑問が残る。 すぐに、足元から少し離れて尋ねる。 「ぼくをまってたの? まだおひるすぎなのに。」 KP : 「ええ。実はね、楓が家を出てからすぐ、おばあちゃんが亡くなったって連絡を受けて。ほら、前にあなたのこと心配してお守りをくれたりしてたでしょ。すぐに伝えたかったんだけど、あなたにはまだ携帯も持ってもらっていなかったし連絡取れないから……なんとか早く帰ってこないかと思って待ってたのよ。おばあちゃんが呼んでくれたのかしらね。」 大門 楓(やまと かえで) : 「うそでしょ?」 知らされた事実に目の前がぐらりと歪んだ気がした。 「だって、ぼくまたおばあちゃんにも会いたいとおもって、それで…!」 うまく言葉が出てこない。 人間が消え、自分だけが取り残されたと思っていた。 しかし、そうではなかった。 荷物の中からお守りを取り出し、見つめる。 「ともだちだれもいなくて、それでぼくかえってきたんだ。とちゅうでお守りもちぎれちゃったんだ。 おばあちゃん、ぼくにかえってきてほしかったのかな?」 なんとか言葉をつむぎ 誰に、というわけでなく問いかけた。 KP : お守りを見つめて俯くあなたの頭を母が優しく撫でる。 その問いに正しく答えられる者は、いるはずもない。 --- その日から、葬儀等の準備でバタバタと月日は進んでいき、何一つ、真偽を確かめる事が出来なかった。 そうして、貴方の夏休みは終わってしまう。 何とも不思議な、夏休みだった。 --- KP : あなたは自分の部屋の整理をしている最中、1つのお守りを見つける。 ボロボロになってしまっているが、大切にしていたものだ。 無くさないようにと包んで仕舞っていた事を、今の今まで忘れてしまっていた。 同時に、夏のあの日に起こった不思議な出来事を思い出す。 結局、あれはなんだったのだろうか。 その真相を教えてくれる人も、この出来事を信じてくれる人も居ないのだろう。 そういえば、このお守りをくれた人のお墓を久しく尋ねて居なかった。 久しぶりに逢いに行くかとあなたは思い立つことだろう。 大門 楓(やまと かえで) : ーどうして今まで忘れてたんだろう。 ぼくは小さい頃にすでに不思議な体験をしてたんだ…。ー 幸いにも今日は休み。特に予定もないので部屋を整理していた。 一度、作業を止めて家を出てもいいだろう。 せっかくだから、まずはあの山で亡くなった友人のお墓を訪ねて そのあとにおばあちゃんの元へいってみよう。 そして、色々話をしてみよう。 「ぼく、あのあともっと怖い体験をしたよ。 正直あのまま、ユウマとおばあちゃんのところにいっちゃうかなって思ったけど なんとか帰って来れたよ。 お守りが守ってくれたのかな。 あのときも、今回も、ぼくを帰してくれたとしたら お礼をいっぱい言わなきゃいけないね。 でも、もう少しだけこっちで頑張るから 会えたときには教えてね。 おばあちゃんはあのとき、ぼくに会いたかったのかどうか。 ぼくはきっといつかまた、二人に会いたいから」 上着を羽織り荷物を肩にかければ また、いいアイディアを思いついた。 ー途中の花屋さんで、特別綺麗なお花をたくさんかってもっていこう 二人がびっくりするくらいとびっきりのやつを!ー 「いってきます!」 あのころより少したくましくなった声で でもあの頃と変わらない、大切な人に会いに行く楽し気な声で声をかければ、母親もまた笑顔で見送ってくれるだろう。 KP : いつものようにあなたを見送る母の顔は、あの頃よりも幾分皺が増えている。 その日も、あの日のように、夏を象徴するような眩しい空の下へと出ていくのだった。 【終幕】
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