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逃がさないわよ、マイダーリン!
電話を切る。そして勢いよく目の前のドアを開ける。ほんの少しの期待は、またしても裏切られることになるわけだが。
「なんでよ!」
私は思いきり足を踏み鳴らした。部屋の中はからっぽ。椅子には誰も座っていないし、人がいた気配さえない。
またしても逃げられた、と察するには充分だった。
「許さない、絶対……!私の気持ちを踏みにじって!!」
ぎりり、と拳を握りしめて叫ぶ、叫ぶ。
「絶対に逃がさないんだから!今日こそは、捕まえてやるんだからああああ!!」
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