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「ねえ、どういうことなの?」
私の声に、ユキからパッと離れたマサキは顔面蒼白で俯いていた。
数分前のことだ。
部活中、同じクラスのエリに呼ばれた。
自分で呼んだくせに、なぜかためらっているエリの様子から、なんとなく言いづらいことなのだろうとは予想がついた。
だけど、まさか、ね?
『ユキのこと、あまり信用しすぎない方がいいと思う』
『え?』
『リンはユキのこと、親友だと思っているかもしれないけれど。ユキは多分そうは思っていないよ。黙っていようかと思ったんだけど、あまりにリンが惨めだなって』
『エリ? なんのこと?』
『教室で見たの。まだ、いると思う、あの二人……、ユキと……』
何が言いたいのか、ようやくわかった気がして、私は部活を早退し、教室に戻ったのだ。
そうして見えた二人の様子に、眩暈がした。
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