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ある夏の夕方‥‥
大坂は、G電子機器メーカーの外回り営業課長だ。
日中、全身をいじめまくっていた汗を、少しだがハンカチで拭くためネクタイをゆるめた。
さらにタブレットの操作をしつつ、傾いた太陽を睨みつけた。
つまり本日最後のスケジュールを終えたということで、本社に戻るためA駅に向かっていたのだった。
角を曲がり駅舎を認めた彼は、
「乗る前に、何処かで一服したいな‥‥」
ふと見ると、小さな公園の近くに、缶コーヒーの自販機があった。
大坂は、ニンマリして、
「コーヒーを飲みながら、一服しよう」
その自販機の前まで行き着くと、
「やっぱり、こういう時は、こいつだよな」
中央の一品のボタンを押し、お目当てを手にすると、公園のベンチに座った。
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