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 三人が目覚めたそこは知らない場所だった。 開けた天井には果てしない暗黒が広がり、 道はレンガの塀で仕切られて迷路のように入り組んでいる。 点在する電灯の仄かな明かりだけが頼りであった。 「ここは一体……? 確か、私たちは射的屋さんで……」 頭を抱える蘭と同様に、道慈も條太郎も 老人と出会ってからのことをさっぱり思い出せなかった。 「ってか、何これ!?」 三人は体型に合った機動スーツを装着し、射的ならではのコルク銃を握っていた。 機動スーツの右腕にはボタンが一つ、左腕にはモニターが付いている。 恐る恐るボタンを押してみると、最大値100の体力ゲージが頭上に表示され、 加えて一面に電子説明書が展開された。 「何々……」 近未来的な光景に思わず顔を寄せる三人。 説明書には、大まかに以下の内容が記述されていた。  最終目標は、戦場内に配置されている、 アルファベット1文字が割り振られた7つの空き缶を全て コルク銃で撃ち落とすこと。 モニターに表示されている戦場は、 隣接したエリアA・エリアB・エリアCの3区画から成る。 各プレイヤーは固有の特殊能力を持っており、 右腕のアビリティボタンを押すことで使用可能。 道慈は検知能力(ディテクション)、蘭は高速移動能力(ハイ・スピード)、條太郎は行動制限能力(ロッキング)を 任意のタイミングで発揮することができる。
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