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 エリアBに逃げ込むや否や、その場にへたり込む三人。 すると、マップに表示されていたはずの点が忽然と消えた。 どうやら別エリアは検知圏外であるようだ。 改めて検知を行った結果、南部に二つの点が出現した。 「ここは二手に分かれるのが得策か……でも、敵の存在も気になる……」 方針を決めあぐねる道慈に、蘭が提案する。 「私、一人で行く。  高速移動能力(アビリティ)を使えば、後からでもすぐ二人に合流できるでしょ?」 責任感の強い道慈からすれば、 女子の単独行動はとりわけ危険な気がしてならなかった。 しばらく悩みに悩み、とうとう唇を噛み締めて決断を下す。 「……頼んだ」 「了解! じゃ、お先に!」 アビリティボタンを押した蘭は紺青のオーラを纏い始め、 瞬く間に姿が見えなくなった。 「俺らも動き始めないとだな」 「……うん」 道慈と條太郎は蘭と反対の方向へ疾走する。
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