子どもの僕が泣いている

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 子どもの頃、僕は宇宙飛行士になりたかった。  けれど、それはとてつもなく難しくて。大きくなるにつれ、僕は夢を諦めることばかり考えるようになった。  もっと現実的な仕事を探そう。普通に生きよう。  そう思って無難な大学へ進学し、周りと同じように就職活動を始めたら、ふとした時に子どもの僕が現れるようになった。  これがかなり厄介で、履歴書を書いている時なんかは、「ぼくは宇宙飛行士になるんだ」と、毎回、毎回泣き叫んでくる。  勘弁してくれよ。  僕はどうしたらいいんだ。
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