6人が本棚に入れています
本棚に追加
恐怖の肝試し
僕は、小学4年生の森下 大輔 。 東京都の浅山南小学校に通う、ごく普通の子ども。
僕は今、夏休みの夜に行われる小学校の肝試しの最中だ。
生憎 僕は、ホラーやオカルトが大の苦手で、ペアの西島 明君と理科室の前を通り過ぎたところだ。
僕は恐る恐る声を出した。
「明君、このまま1階に降りて、今すぐ戻ろうよ」
明君は返した。
「駄目。 この自治体のおっさんたちが開催したんだから、最後まで楽しもうよ!」
「いやいや、なんでそんなに気楽なの?」
僕が伺うと、明君は気を張った。
「父ちゃんが探偵をやってるから、弱い心は捻り潰され……」
その時だった。 家庭科室の方から、刃物を研ぐような音がした。
キシン。 キシン。 キシン!
「ひゃあ!」
僕は、恐怖のあまり腰を抜かしてしまった。 一方、明君は様子が変だ。
「明君、なんでそんなに平気なの?」
すると、明君は振り向き、なんとそれはのっぺらぼうだった。
「キャアアァァ!!」
――というところで僕は目が覚めた。 今日は8月中旬、小学校の肝試しの日だった――。
最初のコメントを投稿しよう!