恐怖の肝試し

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恐怖の肝試し

 僕は、小学4年生の森下(もりした) 大輔(だいすけ) 。 東京都の浅山(あさやま)南小学校に通う、ごく普通の子ども。  僕は今、夏休みの夜に行われる小学校の肝試しの最中だ。  生憎(あいにく) 僕は、ホラーやオカルトが大の苦手で、ペアの西島(にしじま) (あきら)君と理科室の前を通り過ぎたところだ。  僕は恐る恐る声を出した。 「明君、このまま1階に降りて、今すぐ戻ろうよ」  明君は返した。 「駄目。 この自治体のおっさんたちが開催したんだから、最後まで楽しもうよ!」 「いやいや、なんでそんなに気楽なの?」  僕が伺うと、明君は気を張った。 「父ちゃんが探偵をやってるから、弱い心は捻り潰され……」  その時だった。 家庭科室の方から、刃物を()ぐような音がした。  キシン。 キシン。 キシン! 「ひゃあ!」  僕は、恐怖のあまり腰を抜かしてしまった。 一方、明君は様子が変だ。 「明君、なんでそんなに平気なの?」  すると、明君は振り向き、なんとそれはだった。 「キャアアァァ!!」  ――というところで僕は目が覚めた。 今日は8月中旬、小学校の肝試しの日だった――。
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