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死神と契約
これは私と死神の復讐劇だ。
私はお付き合いしているゆうきと同棲中だ。告白は彼からで今ではとても幸せな日常を送っている。
「おはよう、ゆうき。もう朝ご飯出来てるよ」
彼は眠そうな目を擦りながら椅子に座った。
「おはようぉー。んーご飯のいい匂い」
私はコーヒーを飲みながら食べ始めている彼を見ていた。やっぱり寝起きのゆうきは特に可愛い。
「ミサの手料理は美味しいなぁー。特に目玉焼きの下にあるベーコンこれがまた美味しいんだ」
「それはゆうきがベーコンが好きだからでしょー」
「あれ、バレちゃった?でもミサの手料理は本当に美味しいよ」
やっぱり彼はズルいのだ。私は少し照れて壁の方に目線をやった。壁にかかっている時計が目に入った。
「ゆうき、そろそろ仕事の準備しないと間に合わないよ」
時計の針が8時になろうとしていた。
「え!ほんとだ!急がないと!」
彼は食べ終わり、急いでスーツを着ていた。
「それじゃ行ってくるね!!」
私は玄関まで見送った。
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
彼を見送り部屋に戻ると彼のお弁当が机の上に置いてあった。
「え!忘れてるじゃん!!もうっ!」
私はまだ近くにいるはずだと思いお弁当持って外に駆け出し彼を見つけて叫ぼうとして気が付いた。
「、、、え。誰あの女。」
ゆうきの隣を知らないスーツ姿の女性が手を組みながら歩いていた。
「ねぇねぇ!ゆー君!昨日は全然連絡取れなくて寂しかったんだよ!」
「ごめんね、じゃあその代わりに今日の夕飯一緒に食べに行こう」
「やったー!今日お仕事頑張れそう!!」
何あいつら。ゆー君?連絡が取れなくて寂しかった?一緒に夕飯食べよう?何を言ってるんだ。だってゆうきは私と付き合っていて、、。私は心の中がぐちゃぐちゃになる感覚がして走って家に帰った。
「ふざけんなよ!!浮気してんじゃん!!」
私は家に帰ってベットに倒れ込んだ。裏切られて悲しい気持ちとゆうきとあの女への許せない気持ちでいっぱいになり泣き叫んでいた。
「絶対許さない。復讐してやる、、。」
「じゃあ僕にも手伝わせてよ」
突如私の上から声が聞こえた。パッと上を見上げると鎌を持った黒ずくめの少年が浮いていた。
「え、、、。だ、誰?!助けて!!」
「待って、逃げないでよ。僕は死神。君に協力したいんだ」
「協力、、?」
「そうさ、君はゆうきとかいうやつと女に復讐したいんだろ?だから僕も手伝うよ」
「ほんとに!?なら私に協力して!!」
「よし、なら契約だ。契約にあたるにして少し話があるんだが」
「そんなのいいわ!早くしてちょうだい!」
「君が良いのならいいんだが、、それではおねーさん、お手を失礼。」
死神は私の手を軽く握った。
「これより契約を始めます。互いの同意を確認。契約内容、復讐。」
死神が言い終わると同時に2人を囲むように光出した。私は眩しくて目をつぶった。数秒たっただろうか。
「おねーさん、目開けていいよ」
ゆっくり目を開けるともう光はなく普段の部屋だった。
「これで契約は完了したよ、契約は復讐が終わるまで」
「契約とは言っても意外と簡単なのね」
「そうだね、契約自体は簡単だけど決して途中で放棄しないでね」
「する訳ないじゃない!!絶対あの2人に復讐するんだから、、」
「なら良かった、僕ももちろんだけど契約したからには途中で放棄したら死ぬから」
「え、、死ぬ?」
「そうさ、僕は死神だよ?人間界の軽い契約とは一緒と思って欲しくないな」
もしかしたら私はとんでもない契約をしてしまったのかもしれない。でも私に後悔はない。あの二人に復讐が出来るなら死神だろうがなんだろうが契約してやる。
だか私は死神と契約をする事に後悔することになる。
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