1人が本棚に入れています
本棚に追加
薄荷色の飴玉は噛み砕かれて
鋭利な切っ先で君を傷付けようと
紫陽花の濡れる 現の合間に
曖昧な感情の吐露を
少しずつ錆びていく日々を
愛しむ爪先の薄翅色
あと何回酸素を嘔吐して
あと何回熱病を厭って
何度も何度も巻き治すように
何もかも投げ出した気になって
夜の下
移ろう月の色を眺めてた
嗚呼
優しい君の嘘を見抜けたら
それでも
溺れていたいのだ
薄荷色の涼風は温く湿って
風鈴の音の透けて煌めくような
薬指の頸もと 悼みの狭間で
傍観者でいたかったのか
じんわりと熱を持つ棘の痕
少しずつ黒杜んでいく様を
まだ背反なんて心地好くて
まだ廃盤だって嗤って
二度も三度もやり治せ亡いって
何もかも壊された今になって
夜の底
悴む闇の匂いに慣れていた
嗚呼
卑怯な君を酷く憎めたら
それでも
救いはないものだ
しとどに濡れる
哀悼に暮れる
浸された土の下
絶対零度の、
嗚呼
あ、々
優しい君の嘘を見抜けたら
卑怯な君を酷く憎めたら
それでも。
最初のコメントを投稿しよう!