林鐘、葬って。

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薄荷色の飴玉は噛み砕かれて 鋭利な切っ先で君を傷付けようと 紫陽花の濡れる 現の合間に 曖昧な感情の吐露を 少しずつ錆びていく日々を 愛しむ爪先の薄翅色(うすはいろ) あと何回酸素を嘔吐して あと何回熱病を厭って 何度も何度も巻き治すように 何もかも投げ出した気になって 夜の下 移ろう月の色を眺めてた 嗚呼 優しい君の嘘を見抜けたら それでも 溺れていたいのだ 薄荷色の涼風(すずかぜ)は温く湿って 風鈴の音の透けて煌めくような 薬指の頸もと 悼みの狭間で 傍観者でいたかったのか じんわりと熱を持つ棘の痕 少しずつ黒杜んでいく様を まだ背反なんて心地好くて まだ廃盤だって嗤って 二度も三度もやり治せ亡いって 何もかも壊された今になって 夜の底 悴む闇の匂いに慣れていた 嗚呼 卑怯な君を酷く憎めたら それでも 救いはないものだ しとどに濡れる 哀悼に暮れる 浸された土の下 絶対零度の、 嗚呼 あ、々 優しい君の嘘を見抜けたら 卑怯な君を酷く憎めたら それでも。
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