捏造され侵攻をうけた者の恨み

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 今より未来の話。…東京都西部のある町にて、奇妙な怪奇現象が起こっていた。 『許さない。』  町全体がホラースポットにでもなってしまったかのような場所。その場所に恨みの込められた声が響き渡る。 『許さない。』  声は聞こえどその正体は見えず。…人の子一人いない、ただビルだけが立ち並ぶ荒れ果てた町に、ただただその声だけが響き渡る。  風がソレに似たような音を立てているのか。いや違う。…声の持ち主は、確かにいる。…ただ、その持ち主はすでに実態を持たない何かとなってしまっているだけで。  恨みの込められたおどろおどろしい言葉は、町中にむなしく響く。…だが、それを聞く者は誰もいない。…それでも声の主は、恨みつらみを吐き続け行く。…果たして、声の主はいったい誰なのか。…その正体を突き止めるには、時を遡る必要があった。
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