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「何故・・・殺した!!俺達の仲間を!!」
1匹のアオウミガメが、仲間達が海岸の砂浜の上で人間に無惨にその醜態を晒す亡骸の側で大粒の涙を流して途方に暮れていた。
首は絞められた跡があり、
甲羅はバキバキにされた者もあった、
悔しそうに目を剥いて死んでいるウミガメ仲間の亡骸もあった。
「あいつ・・・この前一緒にランデブーして海の中を泳いでた奴じゃねーか!!
こんなに変わり果てた姿になっちまって・・・!!
おめえ・・・だいぶ前に向こうの海で出会い頭にぶつかって誤りもしないで逃げてった奴・・・
もう許すから・・・目を開けてくれ・・・チクショウ・・・チクショウ・・・」
アオウミガメのノルンは目に大粒の涙を流して嗚咽した。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
しかし、アオウミガメのノルンがどんなに泣いても殺された仲間は帰って来る訳ではない。
しゃくりあげるアオウミガメのノルンの哀しみは、段々と怒りに変わっていった。
人間にこの海岸で約束された永遠の幸せを、こんなに無惨な惨劇によって打ち砕かれたこの事実にアオウミガメのノルンに激しい怒りがこみあがってきた。
「裏切られた!!裏切られた!!人間に裏切られたぁぁぁぁ!!
ゆるさない!!もう人間をゆるさない!!僕らは人間に裏切られたんだ!!」
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