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残念だけど、今までみたいに一方的な被害者面はできないわ。
だって「自分たちが生んで育てた、自分たちの娘」が人殺しなんだから。そのために今を選んだのよ。成人する前に。
両親に「保護者としての責任」があるうちに、復讐として。絶対に逃がさないから覚悟しなさい。
どんな策を弄して切り抜けようとしたって無駄だって理解できるかしら。
私には友達がいるの。綾みたいな歪んで腐った人型の汚物とは違ってね。彼女たちがいくらでも証言してくれるわ。
私は嘘なんてただの一つも吐いてないんだから。
「見つかったらまた何されるか……。でも書くことで何とか落ち着けるから」
虐待の証明にもなり得る日記を抱き締めて独り言みたいに呟く私に、向こうから預かるって申し出てくれた。
優しくて善良なクラスメイト。
「メグちゃん、こんなのおかしいよ。我慢なんてすることない! ……ねぇ、先生に話そう。私も一緒に行くから、ね?」
綾や親につけられた痣や傷も、相談を装って何人にも見せたのよ。
「──言っても無駄なの。『歩けないお姉ちゃんを悪者にするなんて!』って余計に責められるだけ、だから」
「そんなの……! ひどすぎるじゃん。だったらはっきりした証拠があれば違うかも!」
心配して泣いて怒ってくれた友達のアドバイスで、写真だって残してある。
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