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大学時代、俺は何でも『ゆるす男』だった。
知らない奴に頼まれても出欠確認の代返し、テスト中のカンニングやレポートの代筆は引き受けまくり、友だちがデートの約束に遅れた理由、親の車をぶつけた理由を勝手に俺のせいにされても許す男だった。
そんな俺の一番の親友は!
何でも『ゆるさない男』だった。
授業中にスカしっぺする奴はもちろん、遅刻、代返、カンニングなどは絶対にゆるさない。
それどころか不衛生、不真面目、非常識な行動は決して、ゆるさない。
世の中の不正を憎み、例え周囲が朱に交わり赤くなる中、最後の最後まで正義を純粋に守り通す男だった。
俺は猿顔で、サルと呼ばれていた。
彼は整ったイケメンでゆるさないと呼ばれていた。
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