ゆるさない男とゆるす男

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夕方、部活が終わる頃、ヘリの音が聞こえた。 「サル。早く着替えて屋上へ来い。迎えのヘリが到着する」 ゆるさない君はもう着替えて叫んでいる。 慌てて着替え屋上に向かう。 サクラとゆるさない君は、既にヘリに乗り込んで微笑んでいる。 「タカシ〜、早くぅ」 サクラが手を伸ばし俺を引きずり込む。 と同時にヘリは、フワリと浮かび上がった。 ウワッ! 大学病院のヘリポートを、こんな事に使っていいのか? ってか、コイツら何者? わずか3分程で、超有名な美容整形外科病院の屋上にあるヘリポートに到着。 「ヘリが一番、家まで近いんだ」 ゆるさない君は、当たり前のようにそう言ってポンとヘリから降りる。 「はじめまして。サクラの母でございます」 和装美人が俺に挨拶した。 美人の背後にはガタイのデカいボディーガードが3人。 1人は美人に日傘を差し掛け、1人はすかさずサクラに日傘を差し掛け、もう1人は、すかさず俺に近寄ってボディーチェックした。 「今夜は主人も仕事をキャンセルして、あなたが到着するのを首を長くして大広間で待っていますわ」 美人の母は俺に、そう微笑みかけた。 「はじめまして。西 (タカシ)です。よろしくお願い申し上げます」 俺は気持ちを整理したかったので、ゆっくり5秒以上頭を下げたまま静止して考えた。 『コレはもしかすると逆タマ?!頑張ってみるか?』
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