サマースクールとは

1/3
前へ
/55ページ
次へ

サマースクールとは

グスタフ皇国の貴族は、それぞれの領地を持っている。 貴族には、それぞれ農地の管理や税金、河川の管理や商業、 様々な領地内の仕事の責任や、判断が必要になる。 貴族の子弟たちは幼い時は、家庭教師について勉強する。 14~15歳くらいになると、より高度な知識を得るため、高等学校に進学する。 そこからさらに大学に進む者も多い。 サマースクールは、貴族の嫡男の補習校(プレスクール)の機能を果たしていた 家庭教師の学習の質が悪いこともあるし、 集団生活に向いていない者や、規律が守れない者もいる。 高等学校は9月から新学期が始まる。 進学する貴族の子弟は、参加するのが慣習となっていた。 「まったくできていないな」 リードはため息をついた。 昨日の数学の試験はひどかった。 補習をしなくてはならない。 これはもう算数のレベルだ、それすら、満足にできない者もいる。 それに今日は、数学の教師が用事で不在だった。 数学は苦手でも、領地管理には必要な知識だ。 土地の測量や設計、商業や経済を軽視することはできない。 そうなれば、グスタフ皇国の全体の国力は落ちてしまう。 リードは点数の低かった生徒を呼び出していた。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加