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「そうだな。もう少しだが」
クリスはさっそく馬から降りて、草原に座り込んだ。
「まったく、なんで学校を卒業した僕たちに、こんなことを手伝わせるのか!」
クリスは不満げに口を尖らせた。
「サマースクールの先生の助手役なんて、それもガキ連中のお守りだぜ!」
「しかたないよ。先生には世話になったし。
それに教えることは、僕らにも勉強になるしね」
「全く優等生の答えだな」
クリスはリードをからかうように言った。
リードは笑いながら馬から降りて、軽く馬の首を叩いてねぎらった。
クリスは水筒の水を飲んで言った。
「まぁ、君は首席卒業、最優秀を取った実績があるからな。
それに君の家は紋章付き貴族だ。」
将来、グスタフ皇国の中心人物になる・・父上は言っていたぞ」
クリスはため息をついた
「まったく、君と比べられるこっちの身にもなってほしいよ。
僕は出来の悪い息子だからな」
グスタフ皇国は、紋章を持った貴族が権力を持つ。
レジア家はその中でも皇族に最も近い、古くから続く騎士の家系だ。
リードの父親は皇帝の腹心であり、国内でも強い影響力を持つ。
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