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「君の家に比べてフェンネル家は・・
まぁ、今は姉上の結婚式の準備で、家じゅう大騒ぎだから・・
こっちに来たほうが、ましかもしれないが」
リードはクリスを見た。
「フェンネル家は、魔女の国と関係があるって聞いたけど・・」
クリスは男の目から見ても、美しい。
体も骨細なのか、華奢で、男でもなく女でもないような、不思議な魅力がある。
魔女の国の血を引く男は、美しい容姿である事で有名だ。
しかし、魔力を持つことはない。
生殖能力も低いらしいが・・よくわからない。
現在は、グスタフ人と混血が進み、同化している。
「ああ、母方の何代か前の爺さんが、絶世の美男子で、
婆さんが惚れて、惚れて・・惚れぬいて
家出して一緒になったらしい。
フェンネル家とも一時期は、断絶状態だったって聞いている。
爺さんは、たぶん魔女とグスタフ人との混血だったのだろうね。
魔力はなかったって聞いた。
どうも男には魔力は出現しないらしい。
女じゃないと、だめだって聞いた事がある。」
リードは馬の鞍をきつくするように調整しながら、クリスとよく似た姉の顔を思い出した。
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