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出会い
皇帝の所有する狩猟の館は、魔女の国の境にある森で、
狩りをするために建てられた館だ。
客人をもてなす事もあり、宿泊するための部屋数も多い。
雑木林の中にあり、館の側には馬小屋と使用人の住居が建っている。
番犬を兼ねた狩猟のための犬も、数匹飼われている。
館に着くと、二人は2階の部屋に案内された。
「リード、食事は7時だ。
正装しろってさ。その時に担当の先生の紹介がある」
クリスは、トランクを部屋に入れながら言った。
クリスとリードの部屋は隣どうしだった。
部屋に入ると、リードはまず窓を開けた。
風が入ってくる。
リードの前髪をゆらした。
心地よい風。
草原と小高い丘がなだらかに続く景色。
遠くに古城、廃墟が見える。
雲間から夕陽の光が、地上に刺さるように輝いている。
静かでいい場所だ・・
でも明日からは、サマースクールの生徒たちでうるさくなる・・
そして、山の方を見やった。
「魔女の国・・どんな国なのだろうか・・」
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