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リードは着替え終わると
香水の瓶を上着のポケットにしまった。
そしてカーテンを開け、窓を開けた。
晴れ上がった空と、小高い丘が先に見える。
その時、
強い風が吹いて、リードの前髪を揺らした。
<・・悲しみ・・切ない・・愛おしい>
切れ切れに思考が浮かぶが、形にならない。
うずくような、鼻の奥がつんとして、涙があふれでてくる。
<どうして・・わからない・・>
「リード!!早くしろよ!!」
窓の下でクリスが手を振っている。
急いでリードは目を拳でこすり、窓を閉めた。
それから、ポケットの中の香水の瓶に触れた。
何かが違う・・・でも、
<もう一度、ここに来よう>
リードはそう思うと、気持ちが少し軽くなった。
リードが部屋を出た直後だった。
パサッ
グリセラが書き写していた、
<グスタフ皇国の恋の物語>の紙片が数枚、書棚から床に落ちた。
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