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2年後・エピローグ
リードは時折、あの狩猟の館に行っていた。
自分でもわからないが、<なぜか行かねば>という気持ちに突き動かされる。
丘の上はいつも風が強い・・
ただそれだけなのだが・・
その頃には、皇帝付き第1の側近・護衛として、取り立てられていた。
ある日、皇帝の書斎に呼ばれた。
「実は内密になのだが、
魔女の国から薬草の販売についての話があったのだ」
リードはうなずいた。
「はい、非公式なのですね」
皇帝は首をひねりながらも
「魔女の国の代表が、直接私と話をしたいと言っているのだが・・
こんな事は今までなかった」
リードは軽く礼をして答えた。
「護衛は私が勤めることで、よろしいでしょうか」
皇帝は少し気づかうように
「お前は明後日に、婚儀を控えておろう。忙しいのではないか?」
「いえ、ご心配なく、段取りと準備は私の方でいたします」
リードは即答した。
その答えに皇帝は少し、安心したのか
「場所は魔女の国に一番近い、狩猟の館になる。
移動を含めても、日帰りで大丈夫だろう」
「わかりました。それでは失礼いたします」
リードは礼をして、部屋から出た。
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