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使用人に案内され、正装したリードとクリスは食卓についた。
リードは少し安心した。
そこに座っているのは、学校時代の顔見知りの先生ばかりだ。
軽く会釈をして、席に着いた。
でも、椅子が一つ空いている。
誰か来るのだろうか・・?
食堂の扉が開いた。
「遅くなり、申訳ありません」
男の声が響いた。
皆の視線が集まるその先の人物は・・・
完成された美しさ・・とは、彼を指すのかもしれない。
リードとクリスは息を呑んだ。
金と銀が混じる長髪。
上等な仕立ての良い、黒いコートがその金の髪の美しさを際立たせる。
彫刻のように冷たいが・・美しい顔立ち。
細身で、優美な立ち姿。
彼はコートを脱ぎ、後ろに控えていたメイドに手渡した。
それから、美しい会釈をして微笑んだ。
「イーディスです。
ドクター・イーディス、お見知りおきを」
空気が変わった・・・何か・・違う・・
校長先生が話し始めた。
「ああ、イーディス先生、今、始めるところでした。
どうぞ、こちらへ。
先生は薬草学の研究で、優れた成果を出していらっしゃるお方です。
それに医療の知識もお持ちなので、今回参加をしていただきました」
イーディスは校長先生の隣に座って、ワインのグラスを手に取り微笑んだ。
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