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「ここは魔女の国に近いので、薬草採集にも最適な場所です。
あと、このメイドはグリセラ。
私の使用人ですが、ここの仕事も手伝わせます。」
イーディスの席の後ろに控えていた、黒い髪、黒い服の娘が、ややうつむきながら、頭を下げた。
女の子にしては珍しい・・強い度の入った眼鏡をかけている。
イーディスは校長先生に目をやった。
「校長先生、お願いがあるのですが、
グリセラにも仕事が無い時は、授業を聞く事をお許しいただけませんか?」
「ええ、もちろん・・他の生徒の邪魔にならなければ・・・」
それを聞いて、イーディスは満足げにうなずいた。
「こちらのお若い方は・・?」
イーディスの視線が、クリスに向けられた。
その瞳はろうそくの光で、金色と青が混じり輝く。
まるで、ラピスラズリの石のようだ・・
リードは、母親の宝石箱に入っていた石を思い出した。
「クリス・・自己紹介を・・」
校長先生が促した。
「クリスティ・フェンネルです。先生方の助手をやることになっています」
イーディスはクリスを見つめた。
「フェンネル家は確か、魔女の血ですね。君は・・美しい・・」
クリスはイーディスに見つめられて、真っ赤になった。
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