自分の作品が一番面白いと勘違いできる能力

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自分の作品が一番面白いと勘違いできる能力

書籍化をするために一番大事なことは何ですか? もしこう聞かれたら私はこう答えたいと思います。それは、勘違いできる能力、と。私は自分の作品が世界で一番面白いと思っています。そして、それを勘違いし続けたからこそ、今の結果が得られたと思っています。 小説を書いている人は共感できると思いますが、自分の小説が世界一面白いと自画自賛してしまう時があるはずです。どう考えたってこの作品を超える小説はこの世にない、そんなことを一度や二度は思ったことがあるでしょう。自分が創った小説は我が子のようなもの、そう思って当然です。しかし、そんな人の多くは、結果が出ず、本物の才能と出会い、自分が平凡であることを知り、挫折したり、目を背けたり、書くことをやめたりします。 私もそうでした。公募に落ち、妄想コンテストに落ち、数えきれないほどの挫折を味わいました。しかし、私はそれでも新しい作品を書き、今度の小説は間違いなく世界一だと勘違いしていました。言い換えるなら、バカでしょう。しかし、私はバカであり続けました。勘違いし続けました。それにより、作品を書き続けることができ、食わず嫌いにも挑戦することができ、実力が磨かれ、書籍化という夢を勝ち取りました。 自分の小説は面白くない、自分には才能はないと、卑屈になっていませんか。はっきり言って、才能がある物書きなんて、日本に数十人くらいしかいないでしょうし、自分がその一握りに当てはまるわけがありません。そんなしょうもない悩みを抱えるくらいなら、自分の作品が世界一だと勘違いしましょう。少なくともあなたの目の前に、勘違いし続けたがゆえに書籍化を叶えた凡人がいます。 最後に、スティーブ・ジョブスの伝説のスピーチで発せられた言葉を紹介します。ステイハングリー、ステイフーリッシュ。日本語で、貪欲であれ、バカであれ、という意味です。スタンフォード大学の卒業生に向けた言葉ですが、これはそのまま私達ネット作家にも響く言葉です。貪欲であれ、バカであれ。私はこの言葉を胸に、小説を書き続けています。これが成長するための唯一の方法であり、楽しく執筆を続けられる唯一の方法でもあります。この先も私は勘違いし続けて、夢のその先を走り続けたいと思います。
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