感染する悪意

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俺は指折り数えて土曜日が来るのを待った。 声が聴こえる頻度はますます上がっている。 「じゃあ、明日な」 遂に明日は土曜日だ。 先に帰る山村を見送りながら、残った仕事を片付ける。 早く終わらせて俺も帰ろう。 午後九時を回ったところで仕事が終わり、帰路につく。 家に帰ると玄関にあるファブリーズを手に取って、噴霧しながら部屋に入る。 効かないのはわかっているけれど、習慣になっていた。 シャワーを浴びて、ベッドに潜り込む。 何時も通りのはずだったのに。 許さない…許さない…許さない…許さない…。 「勘弁してくれよ…」 天井に向かって呟くと目を閉じた。 少しでも眠らないと…。 そう思っても、夜中に何度も起こされる。 ここのところずっとそんな感じだ。
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