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「よぉ、今日も酷い顔だな!」
寺の最寄り駅で待ち合わせた山村が開口一番、そんな事を言う。
確かに俺もそう思う。
寝不足のせいでクマは酷いし、明らかに疲れた顔が毎朝、鏡に映る。
「まぁ、それも今日で終わるかもしれないし、早く行こうぜ」
山村に促され、寺に向かう。
駅から少し離れた閑静な住宅街の一角に寺はあった。
古めかしい門を抜けると直ぐに受付があって、品の良さそうな初老の女性が座っていた。
「すみません、今日お祓いをして頂く、宮部と申します」
女性は俺たちを一瞥すると、古いノートを開いて何か確認している。
「本堂でお待ち下さい、直ぐに住職が参ります」
案内された本堂で待っているとしばらくして袈裟を着た坊主がやってきた。
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