4人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋の灯りを常夜灯だけにして、ベッドに潜り込んだ。
恥ずかしい話だが、子供の頃から部屋が真っ暗だと眠れない。
今日は特に。
首から足の先までをきっちり布団に収めて、じっと天井を見ていると瞼が重くなってきた。
このまま朝まで眠ろう。
許さない…許さない…。
深夜、そんな声が聴こえた気がして飛び起きた。
汗をびっしょりかいていて、背中が冷たい。
部屋を見回してみたが、勿論誰もいない。
夢か…?
許さないって…俺が何をしたっていうんだ。
重たい頭を抱える。
「変な時間に目が覚めちゃったなぁ…」
時計を見ると午前二時過ぎ。
丑三つ時ってやつだ。
起きなければならない時間まではまだ程遠い。
もう一度眠れるかな。
そうだ…。
俺は部屋の灯りをつけると机の引き出しの中を探った。
確かこの辺に………あった。
以前、近くで工事をしていた時に買った耳栓を取り出す。
耳に詰めると家電の微かな音や風で窓が鳴る音も全て消えた。
代わりに小さく地鳴りのような音がする。
耳を塞ぐと自分の体内の音がよく聴こえるようになるのだと何かで読んだ記憶がある。
何で読んだんだっけな…。
そして、俺はまた眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!