ドライマティーニ・ドライ(シリアス版)

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「服を自分で脱ぐのは?」 「ゆるさない」 「シャワーをひとりずつ浴びるのは?」 「ゆるさない」  脳内で進んでいく情事は、現実の佐和子にとっては最高の焦らしであった。  佐和子はもう我慢の限界だった。  しかし、遊びなのかどうか見極めないまま先へ進んではいけない。  飛びこむ先が『恋』というバンジージャンプは、遊びかどうかという一本のロープがあるから、煩わしさのない世界へと生還できるのだ。
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