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 帰宅して早々、本日分の収穫を並べる。専用部屋の机には、毛髪や血が付着した小物、爪の欠片などが整列した。エリックと私、二人分の量ではあるが、あまり多くはなかった。  一つずつ、大切に機械に通す。連動して動くパソコンには、多くの数字と英語、人物の写真が並んだ。  表示されては睨み、裏切られ、がっくりと肩を落とす。それを収穫分だけ繰り返し、鑑定は終了した。    十年前、恋人のジェシカが殺害された。捜査はされたが、犯人特定には至らなかった。それどころか、自殺と断定され切り捨てられた。有り得ないとの主張は認められなかった。    一度調べたら、結果はどうあれ捜査は終了――それが我が国における暗黙の規則だ。積み上がる事件への対処に、切り捨てが必須なのは理解できる。嘗て刑事として生きていた頃、疑いさえ知らず私も従っていた。  しかし、恋人だけは捨てられなかった。愛しい思い出ごと全て、血に染めた犯人を許せなかった。  殺す。例え孤独でも。それが悪しき行為だとしても。その為に、掃除屋として復讐の駒を動かしている。
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