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「ウィルってパパと同じ仕事なのよね? お片付けするんだっけ?」
「そうだよ」
「やっぱり凄いわ! 私は嫌いだもの」
本日は休日だ。しかし、空の予定を把握されている為、当然のように彼女――ニコルが家に来ている。
ニコルは、今年十二歳になるエリックの一人娘だ。片親ゆえ用事で満ちている彼の代わりに、彼女の面倒を見ている。
「あ、でもウィルのお嫁さんになるから練習しなきゃ」
「またそんなこと言って。ニコは可愛いんだからもっと良い人と出会うさ」
「ウィルが良いのー!」
ただ、面倒と言っても、話したり食事を振舞ったりと、最低限の世話しかしていない。にも拘らず私に懐き、いつも無邪気な顔を見せてくれた。
私にもし子どもがいたら――よくそんな幻想に呑まれた。
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