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真相究明 ―オレのシュークリーム―
オレは、緑川 弘。 たった今、友達との飲み会から帰ってきたところだ。
異常なほど酔っ払い、意識が朦朧としている。 すでに夜中の11時。 家族を起こさないようにしよう。
そこからは、ろくに風呂も入らず、まっすぐ布団に入り、一夜を明かした。
――翌日、オレは起床すると、冷蔵庫が開いていることに気付いた。
中を覗くと、妻が買ってくれたオレの高級シュークリームがないことがわかった。
(え……マジ? オレのために銀座で買ってくれた……)
物思いに耽っていると、妻の緑川 美佐がリビングに訪れたのに気付いた。
「おい! オレの高級シュークリームがぁぁぁー!! 勝手に……!!」
オレは、妻が勝手に食べたのだと思った。 そんなオレを見て、妻が返した。
「え……何よ。 経済的に余裕ができたから、あなたのために買ったのよ! 私が食べたわけがないじゃない!」
「何だと! オレ以外にあんたしか いないだろ!」
「だから知らないって……!」
「知らないはずがないだろ! だって昨日は……。 ……あ!」
――思い出したのは、昨日の夜。 オレが酔っ払って帰ってきたときのことだった。
オレは、ろくに風呂も入らず、まっすぐ冷蔵庫に飛びついたのだ。
その後は、高級シュークリームを頬張り、冷蔵庫の扉を閉めないまま布団に入った――。
「あ……ごめん。 昨日酔っ払って、シュークリーム……。 オレだった……」
すると、妻は鬼の形相となり、口を開いた。
「……!! ゆるさない!!!」
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