プロローグ:学校1の美少女になぜか嫌われてます。

1/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

プロローグ:学校1の美少女になぜか嫌われてます。

 高校の階段を上っている一条和也(いちじょうかずや)は、上から聞こえてくる声を聞いて顔を上げた。  この高校はなぜか複雑なつくりになっており、生徒はおろか教師でさえ迷うほどだ。  そのうえこれまたさらに謎だが、すべての教室が一つの校舎にまとめられている。そのためなんとこの校舎は8階建てになっているのである。  俺たち1年生の教室は当然上の階。そして俺の教室は最上階だった。  「7月に8階分の階段の上り下りをさせるのは鬼畜の所業だと思います」と抗議したら、「筋トレになっていいじゃねぇか」というお言葉を頂戴した。  …もちろん上のセリフが俺で、下が教師のセリフである。  この学校色々と終ってんじゃねぇの、と俺はつくづく思う。 「に、二条さん、おはようございます!」 「おはよう」 「ぼ、僕、1年3組の橋口直哉っていいます!」 「は?別に訊いてないけど」 「う…き、今日、お、お昼お一緒しても、よろしいでしょうかっ!」 「は?私が?あんたと?無理に決まってるでしょ。てか邪魔だからどいて」  そりゃそうだろ。そんな誘い方で誰がOKするか。というかこれ何回目だよ。  言葉は違えど同じ誘い方でもう100人以上切り捨てられてんだぞ。少しは学べよ。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!