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「香奈子。もうちょっと静かにしてっていつも言ってるでしょ。というか席こっちじゃないでしょ。せめて荷物を片付けて」
「うぅ~辛辣ぅ~」
早紀の辛辣さに香奈子は思わず苦笑した。
早紀の辛辣さは香奈子に対しても同じだった。それなのになんで友達といえるのかというと、早紀はみんなは相手にしないのに、香奈子にだけはちゃんと相手しているからだ。
当たりの強さはあまり変わっていないように見えるが、実はあれでも少し香奈子に対しては優しくなっているのだ。
だが、俺は今一つ問題を抱えている。それは何かというと…
「和也っちー?そろそろ座ったら?」
「お、おう…」
(和也っち…)
この呼び方にだけはどうも体が慣れないんよなあ~
そう思いつつ、席に着くことにした。
早紀に睨まれながら。早紀の隣の席に。
そう。俺の席はなんと早紀の隣なのである。
それだけならまだ良かったが、なぜか俺は
「一条君、少し離れてくれる?」
「…すみません」
早紀に嫌われている。みんなとは段違いに。
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