第1話:終わりなきブラコンとの戦い、ここにあり。~一条和也~

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 天啓というのは、つまりーー  ”俺以外につられないのなら、俺で釣ればいいのでは?”という、ごく普通の発想である。  …天啓とか言っときながら自分で”ごく普通”っていうの、悲しくなるなぁ…  閑話休題。  作戦を実行するとしよう。  オペレーション”(ストリクス)”ここに始動ーー!! 「はあ…せっかく佐織のために一生懸命作ってる味噌汁なのになぁ…」 「!?」  その瞬間、佐織が飛びのいた。しかもなるべく俺に近づかないよう体をのけ反らせている。…そこまでされると、それはそれでくるものがあるんだよ。  それにしても、この作戦強いな。次からこれつかえーー 「ご、ごめんお兄ちゃん。やっぱり、迷惑だったよね。ごめんね。急に押しかけちゃったりして。やっぱりもう家に帰るよ」  …ふむ。 「…俺はお前に2つ言わねばならぬことがある」 「?」 卑怯だなぁ、こいつ… 「その1。俺はお前を迷惑だなんて思ったことは過去一度もない。現在も含めて」 「…ホント?」  佐織が若干涙目で聞いてくる。  ほんと卑怯だな、こいつ。  嘘泣きのくせに。 「モチのロンだ」  瞬間、静寂が舞い降りた。 「で、もう1つは?」 「スルーしないでいただけますかね?」 「アーオモシロイオモシロイ」 「すげえ棒読み」 「で、もう1個は?」 「ああ、それはだなーー」  俺は一拍置くと。 「反省してほしいのそこじゃねぇぇええぇぇぇぇぇぇ!!!!!」  という叫びの後に。 「って、ことだ」 「お兄ちゃん、近所迷惑って知ってる?」
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