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天啓というのは、つまりーー
”俺以外につられないのなら、俺で釣ればいいのでは?”という、ごく普通の発想である。
…天啓とか言っときながら自分で”ごく普通”っていうの、悲しくなるなぁ…
閑話休題。
作戦を実行するとしよう。
オペレーション”梟”ここに始動ーー!!
「はあ…せっかく佐織のために一生懸命作ってる味噌汁なのになぁ…」
「!?」
その瞬間、佐織が飛びのいた。しかもなるべく俺に近づかないよう体をのけ反らせている。…そこまでされると、それはそれでくるものがあるんだよ。
それにしても、この作戦強いな。次からこれつかえーー
「ご、ごめんお兄ちゃん。やっぱり、迷惑だったよね。ごめんね。急に押しかけちゃったりして。やっぱりもう家に帰るよ」
…ふむ。
「…俺はお前に2つ言わねばならぬことがある」
「?」
卑怯だなぁ、こいつ…
「その1。俺はお前を迷惑だなんて思ったことは過去一度もない。現在も含めて」
「…ホント?」
佐織が若干涙目で聞いてくる。
ほんと卑怯だな、こいつ。
嘘泣きのくせに。
「モチのロンだ」
瞬間、静寂が舞い降りた。
「で、もう1つは?」
「スルーしないでいただけますかね?」
「アーオモシロイオモシロイ」
「すげえ棒読み」
「で、もう1個は?」
「ああ、それはだなーー」
俺は一拍置くと。
「反省してほしいのそこじゃねぇぇええぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
という叫びの後に。
「って、ことだ」
「お兄ちゃん、近所迷惑って知ってる?」
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