Track1 最悪が連なる日

19/41
前へ
/164ページ
次へ
 いつも使うことが多い、窓際のベッドはカーテンに囲まれ、利用者がいるらしい。  しぶしぶ空いている手前のベッドに入れば、養護教諭が心配そうな顔をしながら、何も聞かずにそっとカーテンを閉めた。 (瑞樹には会いたくなかった……)  ギターとベースで共に音楽をやってきた一つ年下の幼なじみ。会えば一緒に音楽を楽しんだ過去がついてきてしまうからと、父の死以降、会うことを避けてきた人物に会うとは何ともついてない。  進学した学校すら教えていなかったのに、瑞樹は探し出して同じ学校に来たというのか。 (俺と関わるとろくなことねぇよ……)  毛布を頭までかぶり、ズキズキ痛む胸を押さえて瞳を閉じた。
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加