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羽宮高校の授業は一限から五限まで、しっかりと詰められている。進学校を謳うだけあって、その内容はとても濃い。
家から近いというだけで選んだ学校。校風とか制服とか、そういうものは一切検討材料に含めなかった。
それなりの偏差値が必要とされていた羽宮高校に入るには、嫌でも勉強せねばならない。もともと勉強が嫌いで、下から数えた方が早いほどの学力の恭弥は、一年間みっちりと勉強して、何とかギリギリ入学できたほどだ。
現在ら、文系、理系両方の科目で赤点をギリギリ回避できるほどの成績である。赤点をとったところで、補講と再試験を受ければ問題ないのだが、学校に長居したくなかったために、ずっとギリギリの成績を維持している。
大学受験でも必須になる科目は、教師たちも教えるのに熱が入る。しかし、その他の科目は比較的教師の自由で行われていた。
その中の一つ、音楽。
数年前までは一番好きだった科目だったが、一転して今は大嫌いになった。クラシックも、ロックも全てだ。聞くだけでも頭が痛くなるほど、体が拒絶している。
いくら体が悲鳴をあげても、その授業を受けなければならない。
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